耳下腺がん。手術以外に治療がないか

回答者:林 隆一
国立がん研究センター東病院 頭頸部外科・外来部長
発行:2010年5月
更新:2013年11月

  

28歳の娘のことでご相談します。左の耳の下にこぶのようなものができたため、病院を受診し、検査を受けたところ、唾液腺がんの中の耳下腺がんと診断されました。リンパ節など、その他の場所に転移はなさそうで、手術を勧められています。さらに、がんの広がりによっては、顔面神経を切ることもあること、その場合、神経の移植をすることがあること、手術時に移植ができない場合でも、後日、移植して神経を再建する方法もあることなどの説明を受けました。娘は顔に麻痺が残るのは絶対に嫌だと言っています。顔面神経を切ると、顔に麻痺は必ず残るのでしょうか。また、手術以外の治療法はないのでしょうか。

(埼玉県 女性 53歳)

A 治療の原則は手術。粒子線治療の検討も

耳下腺がんの治療法は、原則的には手術です。手術では、顔面神経も切除するケースが多いのですが、腫瘍の大きさや組織型、がんのある場所などによっては、顔面神経を温存することもできます。

顔面神経を切除すると、顔に麻痺が起きてしまいます。ただし、質問者がお書きのように、顔面神経を切除した場合は、手術の際に神経を移植して、顔面神経を再建する方法があります。そのときに移植ができない場合は、後日、再建手術を行うこともあります。再建手術は主に、形成外科の医師により行われます。

顔面に移植する神経は、腓腹神経(膝から足首までを走行する神経)や頸神経(頸部を走行する感覚神経)などが使われます。これらの神経によって、顔面神経を再建します。

この再建手術で、顔面神経はかなり回復しますが、部分的な麻痺が残る可能性はあります。麻痺の残る割合や程度は、切除した範囲や顔面神経のどの枝を切除したかによって変わります。

また近年は、耳下腺がんに対して、放射線治療の一種である粒子線治療が行われる場合もあります。

粒子線治療を行っている医療施設は、放射線医学総合研究所・重粒子線医科学センター(千葉県千葉市)や兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県たつの市)、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)などです。

もし粒子線治療をご希望であれば、まずはがんの組織型を確認したのち、前記の施設を受診して相談されるのもよいでしょう。

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