上咽頭がんと診断。IMRTの効果と副作用は?

回答者:林 隆一
国立がん研究センター東病院 頭頸部外科・外来部長
発行:2010年2月
更新:2013年11月

  

上咽頭がんと診断されました。頸部のリンパ節にも転移があり、ステージ3と言われています。治療は、放射線と抗がん剤の併用療法になる予定です。治療によって、いろいろな副作用が出ると主治医から聞き、心配です。そんな折、IMRT(強度変調放射線治療)という放射線治療は一般的な放射線治療より副作用が少ないと知人から聞いたのですが、そうなのでしょうか。また、治療効果も変わらないのでしょうか。

(神奈川県 男性 63歳)

A 通常の放射線治療より副作用は少なく、治療効果は同等

IMRTという治療は放射線の外照射治療の一種で、専用のコンピュータを使って、照射する範囲を決めます。

咽頭がんに対し通常の放射線治療を行う際は、粘膜や耳下腺が照射範囲に含まれます。そのため、唾液の分泌が悪くなり、口が渇くなどの症状が出ます。 しかし、IMRTを使うと、耳下腺をある程度、避けることができ、副作用は少なく済みます。しかも、治療効果は変わりません。

可能であれば、IMRTを受けるのがよいと思いますが、通常の放射線治療よりも料金が高い上に、設備のある医療施設は限られます。もし、どうしてもIMRTを希望される場合は、まずは主治医に相談されるとよいと思います。

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