口腔底がん。治療法の選択に悩む

回答者:林 隆一
国立がん研究センター東病院 頭頸部外科手術部長
発行:2008年7月
更新:2013年11月

  

つい先日、口腔底がんと診断されました。「抗がん剤治療+放射線治療」「口の中の手術+放射線治療」「口の中の手術+首のリンパ節郭清」の3つの治療法を耳鼻咽喉科の主治医から説明されました。最も確実な治療法は「口の中の手術+首のリンパ節郭清」と言われました。この治療法を選択しようかと思い始めています。けれども、下の顎の骨を削り、歯を半分くらい抜くなど、非常に大がかりな手術になると説明を受けました。経過が順調に進んだ場合は、数年後に歯の再建もできるようですが、今は「口の中の手術+首のリンパ節郭清」がとても怖く感じられて不安です。手術を受けずに治るのであれば、「抗がん剤治療+放射線治療」を選びたいという思いもあります。手術の安全性(逆に言えば、危険性)はどの程度あるのか教えて下さい。また、3つの治療法の選択に関するアドバイスもお願いします。

(岡山県 女性 55歳)

A 原則として手術。リンパ節郭清もありうる

口腔底がんの治療法は手術が中心です。3つの治療法の説明を受けられたようですが、治療の確実性が最も高いのは手術です。

頸部のリンパ節郭清をするかどうかは、口腔底がんの大きさやリンパ節転移の有無によって決めます。頸部リンパ節の転移がなくても、口の中のがんが大きければ、予防的に頸部のリンパ節郭清をしたほうがよいと考えられます。

ご相談者は「口の中の手術+首のリンパ節郭清」を治療法の1つとして勧められているようですから、がんが大きいか、頸部のリンパ節も認められるのか、どちらかだと思います。

口腔底というのは、下の歯肉と舌の間の部位です。そのため、がんの広がり具合によっては、舌の切除を行ったり、抜歯や下顎の骨を削ったりすることがあります。がんがさらに大きく広がっていれば、下顎骨を部分的に切除することもあります。また、切除した範囲が広ければ、再建手術により切除部分を修復することもあります。

このようにお答えすると、確かに「非常に大がかりな手術」に思えるでしょうが、手術の安全性は高いといえます。心疾患や脳卒中など、ほかに重い持病や合併症がないようでしたら、比較的安全に行うことのできる手術です。

手術後の機能障害をご心配される方もいらっしゃいますが、先にも書いたように、切除範囲が大きい場合は再建手術により、障害を少なくすることができます。また、下の歯を切除した場合は、義歯の使用が中心となりますが、手術後の傷が落ち着いて再発の危険性が少なくなったと判断された場合には、下顎骨の切除や再建の状況によりインプラントも可能です。

「口の中の手術(原発巣の切除)+頸部のリンパ節郭清」が最も確実と考えられます。

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