化学放射線療法が無効の進行上顎洞がん。ほかの治療法は?

回答者:林 隆一
国立がん研究センター東病院 頭頸部腫瘍科形成外科科長
発行:2011年12月
更新:2013年11月

  

6センチを超える上顎洞がんが見つかり、病期は4b期と診断されました。手術はせず、シスプラチン+5-FU+タキソテールと放射線の併用治療を受けましたが、残念ながら目立った効果が見られません。主治医は「標準治療で使える抗がん剤は限られていて、薬を替えるとしても、あとはTS-1くらいしかない」と言います。臨床試験中でもかまわないので、ほかに使えそうな抗がん剤はないでしょうか。また、抗がん剤と放射線以外によい治療法もあれば、教えていただけると助かります。

(長野県 男性 70歳)

A まだ試していない抗がん剤を使ってみる

上顎洞がんは副鼻腔内にできるがんで、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の人に好発します。4b期は手術での完全切除は難しく、化学放射線療法も無効であれば、残念ながら極めて厳しい病状と言わざるをえませんが、頭蓋底手術の適応について、大学病院やがん専門病院に相談されてもよいと思います。

ご相談者のお気持ちはお察ししますが、主治医の言われるように、上顎洞がんで有効性が確かめられている抗がん剤は多くありません。分子標的薬であるパニツムマブやセツキシマブ(いずれも一般名)の頭頸部がんへの効果について臨床試験が始まっていますが、承認までには至っていません。温熱療法や免疫療法が研究的に行われていますが、有効性については確立していません。

TS-1を使っていないのであれば、試してみる価値はあると考えられます。その場合、初回治療でも使っているということですが、シスプラチンなどの併用を考慮してもよいでしょう。薬の組み合わせを変えれば、効果が違ってくることもあります。また、新薬の臨床試験については、担当医を通じてがん専門病院や大学病院に問合せてみるといいでしょう。

シスプラチン=一般名 5-FU=一般名フルオロウラシル タキソテール=一般名ドセタキセル TS-1=一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム

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