高齢者の3期の声門がん。治療法は?

回答者:林 隆一
国立がん研究センター東病院 頭頸部腫瘍科形成外科科長
発行:2012年5月
更新:2013年11月

  

78歳になる父についてお伺いします。父は最近、喉の調子がおかしいとのことで診察してもらった結果、T3期の声門がんと診断されました。医師からは手術による声門の摘出が治療として良いと言われましたが、父の年齢で新しく発声などがちゃんとできるようになるか不安です。手術以外の治療法はありませんか? また、声が残せる手術法があれば教えてください。

(北海道 女性 45歳)

A 手術がお勧め。発声法なども発達

今回のご相談者の方のような患者さんで、声を残す治療法の1つとして、放射線と抗がん剤のシスプラチンを使った化学放射線治療があります。ただし、この治療法はシスプラチンの副作用として、腎機能障害や白血球の減少などがあり、また放射線治療との同時併用となるので粘膜炎などの放射線治療の副作用も強く出ることになります。そのため高齢の患者さんに対する適応は制限されると言わざるを得ません。

声を残す手術方法としては、喉頭部分切除法や喉頭亜全摘手術などの術式がありますが、高齢者の方では食事中に食べ物や水などが気管へ誤って流れてしまう誤嚥が問題となります。

以上のことより高齢者の場合、声は出なくなってしまいますが、全摘手術を受けることをお勧めしています。

手術を行っても、近年は電動式人工喉頭も発達しています。また、食道発声法やシャント手術という声を出せるようにする方法もありますので、声を温存することに固執するのではなく、きちんと主治医と相談して最善の治療法を探してください。

シスプラチン=商品名ブリプラチン/ランダ

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