1c期の胚細胞腫瘍。BEP療法を受けても出産できるか

回答者:上坊 敏子
社会保険相模野病院 婦人科腫瘍センター長
発行:2008年2月
更新:2013年12月

  

右の卵巣に卵巣嚢腫ができたため、2年ほど前から病院の婦人科にかかっていました。嚢腫の大きさは6センチほどです。半年に1回、検査を受けていたところ、嚢腫が少しずつ大きくなったため、手術で右の卵巣と卵管を摘出してもらいました。病理検査では、未熟奇形腫という胚細胞腫瘍と診断されました。腫瘍の一部に穴があき、内容が漏れていた(被膜破綻が見られた)ため、進行期は1c期です。主治医からは、BEP療法という抗がん剤治療を行うことを提案されました。現状では、この治療法が最も望ましいのでしょうか。また、今は未婚ですが、将来は出産を希望しています。BEP療法を受けても、出産できるでしょうか。

(宮城県 女性 26歳)

A 胚細胞腫瘍にBEP療法はよく効く。出産も可能

BEP療法とは、ブレオ(一般名ブレオマイシン)+ベプシドまたはラステット(一般名エトポシド)+シスプラチン(商品名ランダまたはブリプラチン)の3剤併用療法です。胚細胞腫瘍には、このBEP療法が非常によく効きます。受ける回数は、文面だけから判断すると、3サイクルが望ましいと思います。

BEP療法を受けても、妊娠・出産することは十分に可能です。また、生まれてくる子供に奇形など何らかの異常が生じることもないと一般的にはいわれています。

強い副作用が起こる可能性はありますが、BEP療法は胚細胞腫瘍に対する特効薬です。主治医のいわれるとおりお受けになったほうがよいでしょう。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート11月 掲載記事更新!