卵巣がんを早期に発見する方法は?

回答者:上坊 敏子
社会保険相模野病院 婦人科腫瘍センター長
発行:2007年11月
更新:2013年12月

  

同年代の友人が卵巣がんになり、ショックを受けています。彼女はここ数年、毎年1回、市の検診を受けていて、そのなかには、子宮がん検診もあったそうです。検診では異状は何も指摘されなかったようですが、個人的に受けた卵巣がんの検査で、がんが発見されたといいます。自治体などが行っている子宮がん検診や婦人科がん検診では、卵巣がんはわからないのでしょうか。卵巣がんは年々、増えていると聞きます。早期発見法や予防法があれば教えてください。

(茨城県 女性 40歳)

A 検診で早期発見は困難。家族歴のある人は、要注意

卵巣がんでは通常、卵巣が大きく腫れてきます。ですから、卵巣がんの発見の第1歩は、内診や超音波検査で大きくなった卵巣を見つけることにあります。

しかし、自治体などが実施している保健所や検診車による子宮がんの集団検診は、子宮頸部(入口)の細胞を採取するだけで、内診や超音波検査は行いません。そのため、子宮がん検診で卵巣がんが見つかることはまれで、見つかるとしたら偶然です。

一方、病院や診療所、ドックなどの施設で行う精密検査では、内診や超音波検査も行うことが多いので、卵巣がん発見のチャンスは大きくなります。

腫瘍マーカーを調べるという方法もありますが、偽陰性や偽陽性があるため、マーカーだけで卵巣がんを発見することは困難です。

PET検査で調べることを勧めている専門家もいますが、費用対効果などを考えると、現実的ではありません。

卵巣がんのもう1つの問題は、子宮がんと違って、卵巣がんの進行は非常に早く、年1回の検診では早期発見ができない可能性が高いことです。したがって、卵巣がんを早期に発見するには、毎月のように検査をしないといけなくなります。しかしそれは、非現実的です。そうして考えると、卵巣がん検診に関しては、今のところ、お手上げというのが現状です。

しかし、対策が何もないわけではありません。子宮がん検診を受ける際、同時に内診と超音波検査も受けるとよいでしょう。

乳がんや子宮体がん、大腸がんの既往歴がある人や、卵巣がんになった家族(血縁者)がいる人は、卵巣がんの発生リスクが高まることが知られています。こうした人たちは、卵巣がんを意識して精密検査を受ける必要があります。

卵巣がんの主な症状は、腹痛、腹部膨満感、腹部腫瘤感、不正出血などです。75~80パーセントの患者さんにこのような症状がありますから、気になるときは産婦人科を受診してください。

検査の結果、卵巣が腫れている場合には、その大きさ、性状、腫瘍マーカーの状態などによって治療の方針を決めます。 一般に閉経前の女性なら7センチ、閉経後では5センチを超える卵巣腫瘍は、がんの疑いが低くても手術の対象になります。なぜなら、卵巣がんの進行は非常に早いうえに、卵巣がんであることを手術の前に確実に診断する方法がないからです。結果的に良性だったのなら、それにこしたことはありません。

卵巣がんの予防法として期待できるのは、若いうちに低用量のピルを一定期間飲むことです。アメリカなどでは積極的に行われている予防法で、卵巣がんや子宮体がんの発生リスクが下がるというエビデンス(科学的根拠)があります。もしも希望されるなら、婦人科医に相談されてみてはいかがでしょうか。

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