卵巣がんが肝臓に転移。今後の治療法は?

回答者:関口 勲
栃木県立がんセンター 婦人科医長
発行:2007年7月
更新:2013年12月

  

2005年10月、卵巣がんが肝臓に3個転移した状態で見つかりました。大きさは2~3センチです。1カ月後、大学病院で手術を受けましたが「手が付けられない状態」とのことで、そのまま閉じられました。病理検査の結果では漿液性腺がんとのことでした。タキソールとパラプラチンによる抗がん剤治療を3週間ごと6回受けたところ、腫瘍が縮小。2006年4月には再手術で卵巣と子宮を摘出しました。翌月から行ったタキソテールとパラプラチンによる抗がん剤治療を4週ごとに6回行った結果、腫瘍縮小効果が得られました。しかし、2007年2月に再び腫瘍マーカーが上昇しました。主治医からは、治療の継続を勧められていますが、迷っています。今後、どのような治療を受けたらよいでしょうか。

(東京都 女性 49歳)

A セカンドラインとしてトポテシンなどによる療法がある

卵巣の漿液性腺がんで病期は4B期と考えられます。一般的に、がんの4期では手術をしませんが、卵巣がんの場合には、確定診断と腫瘍の減量を目的として手術を行うことがあります。ご相談者が最初に受けられたのは、これらのことを目的とした手術と思われます。卵巣がんは、組織型によって漿液性腺がん、類内膜腺がん、粘液性腺がん、明細胞腺がんなどがあります。診断された漿液性腺がんは、最も抗がん剤が効きやすいがんです。また、腫瘍減量手術と呼ばれる手術を行って腫瘍を小さくしてから抗がん剤治療をしたほうが効果的だと考えられています。

ご相談者の場合、おそらく確定診断時に、肝転移のほかに腹膜播種もあったため、タキソール(一般名パクリタキセル)とパラプラチン(一般名カルボプラチン)の併用、腫瘍減量手術、タキソテール(一般名ドセタキセル)とパラプラチンの併用という治療が行われたのだと思います。

これまでにお受けになったのは、標準的な治療と言えます。ただし、初回の治療から、治癒を目的とした治療ではなく、延命を目的とした治療であったと認識すべきです。

今後の治療としては、意味のある手術は不可能だと思います。化学療法では、その抗がん剤が効いていて、吐き気や、脱毛、しびれなどの副作用が耐えられる範囲なら続けるのも選択肢の1つかと思います。続けるかどうかは、ご自身でご判断することになります。

ただし、抗がん剤には耐性の問題があります。そこで、抗がん剤を切り替える場合もありますが、タキソール、タキソテール、パラプラチンの次に、どの抗がん剤を用いたらよいのかについては、残念ながら確立されたデータはありません。現状では、セカンドラインとして、トポテシン(一般名イリノテカン)単剤またはトポテシンとシスプラチン(商品名ブリプラチンもしくはランダ)の併用療法などが候補として考えられます。副作用が許容範囲内なら行ってみる意味はあるかも知れませんが、その延命効果ははっきりしていません。

外照射による放射線治療は、がんが限局していれば、腫瘍の縮小がみられることがあります。ただし、腸閉塞などの副作用があるため、治療は慎重に行うべきです。

また、卵巣がんでは、放射線治療は一般的でありません。積極的な治療のほかに、症状の緩和を中心とした「体をいたわる治療」の選択肢もあると思います。ご希望なら鍼灸やアロマテラピー、サプリメントなどの代替療法に取り組むのもよいかと思います。ご自身でよいと思うことをやってみてください。ご相談者の考え方がいちばん大切です。

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