卵巣がんの3c期。血管内治療やサイバーナイフなどの可能性は?

回答者:宮城 悦子
横浜市立大学 医学部産婦人科准教授
発行:2007年6月
更新:2013年12月

  

2000年6月に卵巣がんで手術を受け、漿液性腺がん3c期と診断されました。手術では卵巣、子宮、大網、リンパ節を摘出しました。同年7月以降に受けた抗がん剤は「パラプラチン(一般名カルボプラチン)+タキソール(一般名パクリタキセル)」「ペプシドもしくはラステット(一般名エトポシド)」「ブリプラチンもしくはランダ(一般名シスプラチン)+タキソール」「アクプラ(一般名ネダプラチン)+タキソール」「エンドキサン(一般名シクロフォスファミド)」「カンプトもしくはトポテシン(一般名イリノテカン)+エンドキサン」「カンプトもしくはトポテシン+アクプラ」などです。またこの間、2001年10月には、肝臓に再発・転移し、ラジオ波治療を受けています。06年の8月には右水腎症になり、同年の11月にはハイパーサーミア(温熱療法)を何回か受けています。07年の2月からは、カンプトの投与を受けています。現在は、左の首のリンパ節に1~2センチのがんが数個、左右の肺に2~3センチのがんが数個、肝臓に1~2センチのがんが1個、右足の付け根のリンパ節に3センチのがんが1個あります。症状としては血便が出たり、おりものが多く、血が混じることがあります。右の腎臓が少し腫れていて、膀胱と右の腎臓の間にチューブを挿入しています。37℃前後の熱があり、右の腎臓やろっ骨、下腹部などが痛むことがあります。しかし、通院や買い物、掃除などの日常生活は1人でできます。先日、主治医に「まだ治療を続けるか」と訊かれ、ショックを受けています。血管内治療、サイバーナイフ、トモセラピーという治療があることをテレビで知りました。私にできるでしょうか。その他、可能性のある治療法はありますか。

(千葉県 女性 50歳)

A 一般的には質問の治療は適応外

血管内治療、サイバーナイフ、トモセラピーについてお尋ねですが、私はこれらの治療を専門としておらず、詳しいアドバイスはできませんので、一般的な卵巣がん治療のことをお話しいたします。

血管内治療とは、血管内にカテーテルなどの医療器具を挿入して薬剤投与を行う方法ですが、通常この血管内治療は卵巣がんには有効との報告がなく、適応になりません。

また、サイバーナイフとは放射線治療の一種で、弱く細い放射線を多方向から病変部に当てます。適応になる疾患は脳腫瘍、脳動静脈奇形、耳鼻咽喉科および口腔外科領域の腫瘍、頸部腫瘍などで、卵巣がんに対してはごく特殊の病態以外では一般的には行われていないと思います。

トモセラピーも放射線治療の一種で、コンピュータ断層撮影と病巣を狙い撃ちする放射線治療の機能を併せ持っています。適応になる疾患は、複雑な解剖を有する頭頸部がん、直腸・膀胱を避けて照射する必要のある前立腺がん、脳に転移したがんなどです。卵巣がんに対しては、一般的には行われていません。

主治医が「まだ治療を続けるか」とおっしゃったようですが、過剰な抗がん剤治療を続け、体に過度の負担を与えることを心配されているのではないかと推察します。

痛みに対しては、モルヒネやそれに類する薬を積極的に使って、和らげるようにしてください。現状では、緩和治療を中心として、症状に応じた治療を考えていくのが、生活の質を維持するためには最もよい方法と考えます。

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