上皮性卵巣がんの手術後、どんな検査を受けるべきか

回答者:上坊 敏子
社会保険相模野病院 婦人科腫瘍センター長
発行:2007年4月
更新:2013年12月

  

3カ月前に上皮性卵巣がんで手術を受けました。ステージ1B期の早期がんで、漿液性腺がんとのことです。今後についてですが、どのような定期検査を受けたらよいのでしょうか。

(岡山県 女性 44歳)

A 再発を早く見つけても再発治療はかなり厳しい

漿液性腺がんのステージ1B期という早期の状態で治療を受けられた方は数少ないと思います。卵巣がんは3期や4期で見つかる場合が多いからです。「Q:上皮性卵巣がんの再発。最善の治療法は?」でも述べましたが、卵巣がんの治療では、手術が大きなウエイトを占めます。この場合も、手術で腫瘍が完全に切除できたのかどうかが重要であることを十分にご理解していただきたいと思います。

治療後の定期検査については、手術の内容と結果や、抗がん剤治療の内容などにもよります。日本婦人科腫瘍学会の治療ガイドラインによると、治療後1年以内は1~2カ月ごとに1回、2年以内は2~3カ月ごと、3年以内は4~6カ月ごと、5年以内は4~6カ月ごと、5年以降は6~12カ月ごとに行うようにしています。検査内容は、内診・外診・問診は毎回、腫瘍マーカー(CA125など)は毎回、超音波などは3~6カ月ごと、腹部CTまたはMRIは6カ月ごと(2年以後は12カ月ごと)、胸部X線は12カ月ごとに行います。こうした定期検査で異常があった場合に、骨以外の臓器の病気の有無を調べるガリウムシンチグラム、全身の骨の病気の有無を調べる骨シンチグラムなどを行います。ただし、再発を早く見つけても、再発治療はかなり厳しいのが現実です。

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