高齢の卵巣がん、治療法の選択は?

回答者:宮城 悦子
横浜市立大学 医学部産婦人科准教授
発行:2005年4月
更新:2013年12月

  

73歳の母が2004年6月に卵巣がんが見つかり(上皮がん漿液性)、すぐに卵巣、子宮、大網の切除をしました。治療後はタキソール(一般名パクリタキセル)とパラプラチン(一般名カルボプラチン)の併用療法を6クールを受けていましたが、6回目の抗がん剤治療の際の検査でCA125が41(この前までは正常値)に上昇し、CTで肝臓に1.5センチ大の腫瘍が発見されました。担当医からは化学療法または手術の選択肢があるといわれましたが、高齢の母に手術をさせるべきか悩んでいます。本人は手術を受けたいと言っていますが、受けるだけの意味があるのでしょうか?

(山口県 女性 51歳)

A 年齢だけではなく、全身状態など総合的に判断します

卵巣がんの場合、手術でできる限り病変を摘出したほうが治療効果が高いと言われています。一方でもし摘出できない場所に多くの腫瘍が残ってしまうような状況では、予後は厳しいと思われます。

73歳という年齢だけでは一概に手術侵襲の程度はわかりませんので、全身の合併症の有無などを考慮しての判断になります。思い切って肝臓の病変を摘出したことが治癒につながった症例の経験もありますので、手術のメリット、デメリットについて担当医とよくご相談いただき、最終的にはご本人の意思を尊重されてはいかがでしょうか。

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