手術後、タキソールとパラプラチンを使用。関節痛に悩んでいます

回答者:勝俣 範之
国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科医長
発行:2005年3月
更新:2013年12月

  

卵巣がんと診断され、手術を受けた後、タキソール(一般名パクリタキセル)とパラプラチン(一般名カルボプラチン)の2種類の抗がん剤による治療を受けています。これを3週間に1回、4サイクル行う予定で、現在2回目まで治療が終わっているのですが、手足の関節痛がつらく、困っています。少しでも痛みをやわらげる方法はないでしょうか。たとえば、マッサージなどを受けてみようと思うのですが、効果はいかがでしょうか。

(神奈川県 女性 44歳)

A 関節痛はタキソールの副作用で、一過性。痛み止めの内服で多くは解消

関節痛はタキソールの副作用と考えられます。

タキソールによる関節痛・筋肉痛は通常は一過性で、タキソールを投与してから、数日後に始まりますが、3、4日から、長くても1週間程度でおさまってきます。この間、つらいようでしたら、痛み止めの薬を内服していただくとよいと思います。

一般的な痛み止めで痛みが治まらない場合は、非ステロイド系の抗炎症剤を処方してもらうとよいでしょう。また、これはまれですが、モルヒネを使う場合もあります。

マッサージについては、受けることで楽になる場合もあるでしょうから、受けられるのもよいと思います。

関節痛と似た症状に末梢神経障害(手足のしびれ)があります。末梢神経障害は蓄積毒性と言われ、投与回数、投与量が増えれば増えるほど増強してきます。このしびれを解消する治療法として、ビタミンや漢方薬を使ったりすることがありますが、今のところよい方法があまりありません。強い末梢神経障害が起きた場合は、タキソールの量を減らしたり、別の抗がん剤に替えるなどの対策を取ります。

ちなみにタキソールのその他の副作用には、赤血球や白血球、血小板などが減少する血液毒性や脱毛、薬剤アレルギーなどがあります。また、パラプラチンの副作用には、血液毒性、吐き気、嘔吐、食欲不振、脱毛、肝障害などがあります。

いずれの副作用についても、軽減するための対策はあるので、副作用が起きた場合や、不安な場合は、主治医の先生に相談されるとよいと思います。

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