卵巣と子宮を摘出後、更年期障害に。ホルモン補充療法はできないと言われたが…
2004年の6月に乳がんが発見されました。また、8月には卵巣腫瘍も発見され、卵巣と子宮の摘出手術を受けました。このため、現在、更年期障害があるのですが、ホルモン補充療法はできないと主治医の先生に言われました。ホルモン補充療法ができないとしたら、ほかにどのような対処法があるのでしょうか。
(和歌山県 女性 46歳)
A 短期間の使用であれば大きな問題はない。症状によっては、受けてみるのも
卵巣に発生する腫瘍にはさまざまな種類があり、そのうちの85パーセントほどは良性腫瘍です。
良性の場合は子宮を摘出しないことが多いのですが、子宮を摘出していないからといって、良性腫瘍と判断することもできません。逆に、卵巣を摘出したからといって、悪性、すなわち卵巣がんと判断することもできません。
ご相談者は「卵巣腫瘍が発見され、卵巣と子宮の摘出手術を受けた」とお書きになっていますが、この卵巣腫瘍が良性なのか悪性なのか、文面だけでは判断しかねます。いずれにしても、卵巣を摘出すると、程度の差はあっても、更年期障害は確実に起こります。
また、ご質問のホルモン補充療法に関しては、卵巣腫瘍が良性であっても悪性であっても、治療法はとくに変わりません。
ホルモン補充療法とは、女性ホルモンを薬で補う治療法です。ホルモン補充療法を長期間行うと、乳がんや卵巣がんになるリスクが高くなることがわかっています。しかし、短期間(数カ月程度)の使用であれば大きな問題はないので、更年期障害の症状の程度によってはホルモン補充療法を行ってもよいと思います。
症状が強く出ている人の場合などは、短期間の使用であっても、大きな効果が現れることがあります。今一度、主治医の先生によく相談されてみるとよいと思います。
ホルモン補充療法以外では、漢方薬による治療を行うこともあります。ただし、ホルモン補充療法ほどの効果は一般的には期待できません。