突然の卵巣がん4期。予後はどのくらいか?

回答者:上坊 敏子
社会保険相模野病院 婦人科腫瘍センター長
発行:2011年8月
更新:2013年12月

  

検診で、卵巣がんが見つかりました。症状は全くありませんでした。主治医に「新しい抗がん剤も出てきたから」と励まされましたが、すでに4期とのことで、驚いているとともに、非常に落ち込んでおります。治療によって、あとどのくらい生きられるのでしょうか。

(兵庫県 女性 53歳)

A 転移の場所によって予後は異なる

卵巣がんは、ほかのがんとは違う性質を持っています。有効な検診の方法がなく、静かに進行するがんといわれています。

そのため、超音波検査や腫瘍マーカーなどの検査で見つかったときにはすでに胸水がたまっていたり、ほかの臓器に転移している4期の状態で見つかる場合が少なくありません。

4期では、転移の場所によって予後に違いがあります。重症のがん性腹膜炎はないのに胸水の中にがん細胞が出現しているために4期と診断されたような場合は、比較的治療成績が良好です。

一方で、肺や肝臓などに転移している場合、またがんが腹腔内全体に転移している場合は治療の効果はあまりよくありません。

治療の難しい卵巣がんですが、タキソールという抗がん剤が登場して、5年生存率が上がりました。

このように新たな抗がん剤なども登場していますから、落ち込んでいるよりも積極的に治療を受けてください。

タキソール=一般名パクリタキセル

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート4月 掲載記事更新!