再発と診断された

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2023年11月
更新:2023年11月

  

2011年にPSA値が22、グリソンスコアが8で前立腺がんと診断されました。転移はなく放射線治療とホルモン療法を1年間行いました。ところが、2023年5月にPSA値が6.7になり、再発と診断されました。2011年に行った治療は妥当な治療だったのでしょうか。また、今後の治療としてどのような治療を行うのがベストなのでしょうか。

(72歳 男性 群馬県)

転移巣の部位と数によっては根治治療も可能

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

初発時の病状は、PSA20以上かつグリソンスコア8であることから、高リスク前立腺がんと診断されます。高リスク前立腺がんの場合、手術療法またはホルモン療法2~3年+放射線治療が標準治療です。

相談者のホルモン療法が1年間であった理由はわかりませんが、ホルモン療法の副作用が強く出る場合や心血管系や糖尿病などの併存症がある場合は、ホルモン療法の期間を短く設定することがあります。

放射線治療後の再発に対する治療は、再発部位が原発巣(放射線治療をした前立腺)なのか、転移(前立腺の外)なのかによって治療方針が異なります。前立腺再発の場合、前立腺内の病気の拡がりによっては手術療法や小線源療法で根治可能なこともあります。

手術療法は、放射線治療の影響により術中・術後合併症のリスクが高まることが知られており、限定的にしか行われていません。

転移再発の場合でも、転移巣の部位と数によっては根治を目指した治療が可能です。転移病巣が2~3個以下の場合、部位が骨盤内リンパ節であれば手術療法や放射線治療を、骨転移であれば放射線治療による根治的治療を考慮します。その場合、駒込病院では2~3年のホルモン療法を併用しています。これらに当てはまらない場合は、ホルモン療法が選択されます。病状の詳細を主治医にご確認の上、治療方針についてご相談下さい。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート4月 掲載記事更新!