前立腺がん、手術することに抵抗があるが

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2024年1月
更新:2024年1月

  

3年前に前立腺がんと診断されました。手術することに抵抗があり、現在経過観察中です。年齢も年齢なのでこのまま経過観察を続けたいと思っていますが、どんなものでしょうか。現在のPSA値は6.5くらいが続いています。

(71歳 男性 神奈川県)

いまのところPSA監視療法で問題はないが

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

相談者は低リスク、または低リスクよりの中間リスクの早期前立腺がんに対し、PSA監視療法を継続している状況と理解します。PSA値が上昇傾向になく横ばいに推移しており、かつ定期的 MRI検査でがん病巣に変化がないことが確認できていれば、PSA監視療法の継続で問題はないと考えます。PSA値の上昇傾向あるいはMRI検査でがん病巣の増悪所見を認める場合は、前立腺針生検でがん病巣の組織学的悪性度(グリソンスコア)を再評価することをお奨めします。

再評価後のリスク分類が高リスクとなるか、あるいは低リスクよりの中間リスクの場合でも組織学的悪性度の高い篩状(しじょう)がんや導管内がんの成分がある場合は、一般的に期待余命10年以上と推定される患者さん(大きな併存症のない日本人男性の場合、77~78歳まで)には根治的治療が推奨されています。

根治的治療の方法は手術療法のほかに、放射線治療があります。根治的治療が必要な病状となった場合は、治療法について主治医とよく相談して、納得のいく治療選択をされることが重要です。

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