ステロイドホルモンを服用中。胃がんの治療法は?

回答者・山口俊晴
がん研有明病院長
発行:2016年5月
更新:2019年7月

  

母(69歳)は5年前から関節リウマチ(RA)が原因で寝たり起きたりの生活です。嘔吐したのをきっかけに胃の検査を受けたところ、胃がんでステージはⅡ(II)~Ⅲ(III)の間だろうと言われました。母は関節リウマチの治療薬であるステロイドホルモン(以下、ステロイドと表記)を内服しています。ステロイドを服用していると術後の傷が治りにくいと聞いたことがあり、心配しています。母の場合、どのような治療法になるのでしょうか。

(40歳 女性 愛知県)

点滴や注射でステロイドを補うことが必要な場合も

がん研有明病院長の山口俊晴さん

ステージがⅡ(II)~Ⅲ(III)の間ということですので、手術が第1選択です。

ステロイドには、感染が起きやすくなったり、傷の治癒が遅れるなどの副作用があります。しかし、一方でステロイドには手術の侵襲を和らげる作用があります。そのため手術中や手術直後にはステロイドが必要な状態が発生し、むしろこれを補う必要が出てきます。

ご相談者のようにステロイドを長期間内服している人の中には、もともとステロイドの分泌量が少ない方がいます。手術前に服用を急に止めると、ステロイドが不足して体調が悪化する可能性があるため、注射や点滴で補わなければなりません。

大掛かりな手術になるほどステロイドが必要になりますので、現在服用しているステロイドホルモンの量と服用期間、手術の規模などから担当医は麻酔科医と相談して、慎重に術中術後のステロイドホルモン投与量を決定する必要があります。

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