ステージⅠ(I)のスキルス胃がん。根治は?抗がん薬は必要?

回答者・山口俊晴
がん研有明病院長
発行:2015年12月
更新:2019年7月

  

人間ドックを受け、スキルス胃がんと判明。早期でステージはⅠ(I)とのことです。医師から「スキルス胃がんが早期で見つかるのはラッキーだから、すぐ手術をしたほうがいい」と言われました。スキルス胃がんの場合、根治は難しいのでしょうか。私は術後、抗がん薬治療をすることになるのですか。

(63歳 男性 埼玉県)

早期であれば根治が可能。抗がん薬の可能性も低い

がん研有明病院長の山口俊晴さん

スキルス胃がんのスキルスとは硬いという意味で、線維組織が増生し組織が硬くなっている状態を示します。その多くは顕微鏡で見ると未分化腺がんというタイプで、胃の壁に沿って浸み込むように浸潤・発育します。そのためにがんが広がるまで症状がなかなか出ず、しかも凹凸が少ないので発見しにくいのです。

しかし、すべてのスキルス胃がんが胃全体にわたる手遅れのタイプではなく、比較的小さい早期の時期も当然あります。そのような早期の時期に見つかれば、ほかのタイプの胃がん同様治ることがわかっています。ステージⅠ(I)ということは、がんの深さも浅く、転移も認めない状態ですから、治る可能性は高く、抗がん薬を使用する可能性も低いと考えられます。

なお、未分化型胃がんの多くは内視鏡治療の適応にはならず、原則として手術(腹腔鏡あるいは開腹)です。

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