■今年の2月、肥満症治療薬「ウゴービ皮下注」が発売されました。「高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない」肥満症が対象。いま、糖尿病の治療薬が美容・ダイエットなどの目的で使用されているという問題があり、最近も米国の有名な女性司会者が糖尿病薬を使いダイエットしたと批判されていました。この薬剤も美容ダイエット目的で用いられる可能性が高いと言われていますが、投与方法の皮下注射が適用外使用のブレーキとなるのでしょうか。（松尾）

■今月号の「がんと生きる」で取材させてもらったGONさんは悪性リンパ腫を告知されたとき、生きることに対して執着は少なかったという。しかし、いまでは「また、1年生きられたと歳を取るのがうれしい。とにかく生きよう、生きなくちゃ」と語るようになった。翻って世界を見渡せば各地で人々の命があまりにも軽く扱われてないだろうか。無辜の人々の命が大儀なき戦闘の巻き添えで日々失われていく報に接する度、どうしようもない焦燥感に襲われる。（髙橋）

書評／胃がん「手術後」の不安をなくす新しい生活術
発行：主婦と生活社
監修：佐野 武 がん研有明病院院長
定価：1,760円（税込み）

「胃がん『手術後』の不安をなくす新しい生活術」の監修は、がん研有明病院病院長の佐野武さん。本著は「手術後の早期回復のために」からはじまり、「退院後の生活」、「後遺症をおさえる食生活」、「再発・転移への備えと治療法」の5章で構成されています。胃がん患者さんが知りたい術後の日常生活や再発・転移の治療法まで、さまざまな対処法などを網羅しています。その他、胃がんの再発・転移の起こる仕組みやステージ別の5年生存率など、理解しておきたい情報も掲載されています。とくに注目するのは、介護保険申請の流れや利用できるサービスについてまで、詳しく記載しているところです。巻末には、胃がん患者さんにとって諸々の情報を得るための「情報ファイル」ページがあり、そこには、「国立がん研究センター」、「がん情報サイト」、「日本胃癌学会」、「日本対がん協会」「日本消化器外科学会」、「がんサポート」など、有意義な情報を得るためのホームぺージのURLが掲載されています。胃がん手術後の生活に対する不安を軽減して、術後の人生をよりよく生きるための情報が満載されている本書。胃がん手術後の不安を抱えている患者さんやそのご家族には必読の一冊です。（西村）

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