非ホジキンリンパ腫と診断され、経過観察と言われたが
昨年(2023年)10月、かかりつけ医で血液検査を受けたところ、「アルブミン/グルブリン比」が異常値だとわかり、がんセンターを紹介されました。精密検査の結果、免疫グロブリンM(IgM)の値が1dl当たり3,550㎎と基準値より極めて高いことがわかりました。骨髄検査やCT検査の結果、悪性リンパ腫の非ホジキンリンパ腫と診断されました。主治医からは「経過観察をしましょう」と言われていますが、治療しなくて大丈夫なのでしょうか。また、どのような症状が出たら治療が始まるのでしょうか。
(68歳 男性 東京都)
A 治療は症状がみられるようになってから
日本赤十字社医療センター
血液内科副部長の塚田さん
血液内科副部長の塚田さん
IgM値が異常高値ということなので、原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫という診断に至ったのではないかと思います。
この病気は進行が緩徐なことが多く、抗がん薬の治療を行っても完治が難しいため、治療は症状がみられるようになってから行うことが一般的です。
症状は多彩で、発熱、倦怠感、体重減少、末梢神経障害などの自覚症状のほかに、検査による異常(貧血、血小板減少、腎機能障害、リンパ節腫大、脾腫など)などさまざまです。主治医と適切な治療開始時期を相談しながら病気とつき合っていくことが重要です。