3年前に胃の3分の2を切除。口の中が酸っぱい

回答者・山口俊晴
がん研有明病院長
発行:2016年5月
更新:2019年7月

  

3年前(2013年)に胃がんになり、胃の3分の2を切除しました。最近になって、眠ろうとして横になると口の中が酸っぱくなることがあり、そのたびにうがいをしています。痰も酸っぱく感じられます。これは、胃の手術によって胃液が逆流しているのでしょうか。何か対処法はありますか。

(70歳 男性 岐阜県)

逆流性食道炎。食事や就寝時の姿勢などの対策を

がん研有明病院長の山口俊晴さん

胃を3分の2切除すると、胃酸を最も分泌する部分がなくなりますので、一般的には胃酸の分泌量は低下します。しかし、残った3分の1の胃からある程度の胃酸が分泌されますので、胃酸が逆流してくると、ご相談者のような逆流性食道炎(GERD)の症状が出ることがあります。残っている胃の容量(容積)や、その胃酸分泌能によって、ほとんどこのような症状がない方もいます。

また、胃がんの手術の際に、胃の入り口である噴門の締りが悪くなり、逆流が起きやすくなることも、このような症状が出てくる原因の1つです。

対策としては、夕食などに脂質やタンパク質の多い食事を避けたり、就寝時の姿勢を少し高くして、物理的に逆流を防止することなどがあります。アルコールやカフェインの多いコーヒーなども、飲み過ぎないようにします。胃酸の分泌を抑制する、ヒスタミンH2受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬(PPI)の服用によって奏効することが多いです。

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