光線力学療法を紹介されたが
2020年2月子宮頸がんステージⅠと診断。2020年8月、自宅近くの産婦人科で、高度異形成で円錐切除を受ける。2カ月後に病変が残っているとのことで、大きな病院を紹介され子宮全摘を勧められたのですが、子宮は残したいと思っています。再度、円錐切除もできるが、頸部が少ないためリスクがあるとのことです。
光線力学療法(=レーザー光に反応する薬剤を静脈注射した後、レーザー光線を照射してがん細胞を壊すという治療法)もあると言われ、東京の病院を紹介するとも言われました。光線力学療法はどうなのでしょうか。また光線力学療法をするにしても、東京へはコロナのこともあって行きたくありません。地元の近くに光線力学療法を行っている病院はないのでしょうか。
(42歳 女性 新潟県)
A もう一度円錐切除を勧めます
医用生体工学講座統合ゲノム学教授の
織田克利さん
光線力学療法は確かに1つの治療選択肢ですが、日本全国で広く行われているわけではありません。高度異形成で円錐切除後の頸部が十分に残っているのであれば、もう一度円錐切除をするという方法が考えられます。どうしても再円錐切除をできないということであれば光線力学療法も選択肢になりますが、レーザー蒸散術などの別の方法が選択される場合もあります。
ご相談者が言われるように、このコロナ禍で光線力学療法を受けに東京まで出向いてくる方は少ないと思います。ただし、遺残の所見が強く、病状として子宮温存が難しい場合には、再円錐切除よりも大きな手術も考慮されます。
その場合、子宮頸部のみを切除することも手技的には可能ですが、42歳という年齢を考えると子宮摘出がやはり最適かもしれません。
今回は子宮温存を希望されておられますので、高度異形成など子宮摘出の回避が見込まれる所見で条件が合うようであれば、再円錐切除の検討をお勧めします。