1b1期の子宮頸がん。広汎子宮頸部摘出術を受けられるか
2010年5月に子宮頸がんと診断されました。病期は1b1期で、がんが子宮頸部にとどまっていて、がんの大きさは3センチ弱という診断でした。医師には、子宮を全摘する手術を勧められました。ただ、結婚を控えていて、子供はぜひ欲しいと思っています。医学書などで調べたところ、子宮体部を残して、妊娠できるようにする広汎子宮頸部摘出術という手術があることを知りました。これはどういった手術でしょうか。私は受けられそうでしょうか。
(和歌山県 女性 26歳)
A 適応条件は限られていて、実施している施設も少ない
1b1期の子宮頸がんの標準治療は広汎子宮全摘術という手術です。広汎子宮全摘術を受けると、残念ながら、妊娠・出産することはできなくなります。
一方の広汎子宮頸部摘出術では、子宮体部を残すことが可能です。広汎子宮頸部摘出術は骨盤のリンパ節と子宮頸部・腟の一部を切除し、残った腟と子宮体部を縫い合わせる手術です。
ただし、この手術を受けられるのは、1b1期でも1a期に近いなど、かなり限られます。
細かな適応基準は医療施設によって異なります。がんの大きさ、がんの組織型、がんのある場所などが判断材料です。
一般的には、がんの大きさが3センチ弱では適応外になることが多いと思います。組織型でいえば、腺がんは適応外になることが多いでしょう。
また、広汎子宮頸部摘出術は広汎子宮全摘術より再発率が高いのが現状です。流産や早産のリスクもかなり高く、広汎子宮頸部摘出術を受けて出産された方は、日本でまだ数人しかいません。
広汎子宮頸部摘出術を行っている施設は全国でもかなり限られます。ご相談者は一般的には広汎子宮頸部摘出術の適応にならないと思いますが、ご希望なら、この手術を行っている施設に1度、ご相談されてみてもよいでしょう。