子宮頸がんの1a期。光線力学療法を受けられるか
子宮頸がんの1a期と診断され、手術(子宮全摘出術)を勧められています。卵巣は残せるそうです。子宮頸がんの手術を受け、排尿障害や耳鳴りなどの後遺症に苦しんでいる友人がいます。彼女の話を聞いていたため、手術にはためらいがあります。そんなとき、光線力学療法という治療法があることを知りました。光線力学療法でもがんは完治するでしょうか。後遺症や副作用の心配はないでしょうか。
(東京都 女性 33歳)
A 標準治療は円錐切除術
子宮頸がんの1a期の標準治療は円錐切除術で、1a期の細分類を行ったのちの子宮全摘出術です。お子さんをご希望の場合のみ、円錐切除術のみでの経過観察や光線力学療法による子宮温存が考慮されます。光線力学療法はレーザーでがん細胞を狙い撃ちして、がんを消滅させるレーザー治療の一種です。具体的には、まず光感受性物質(光に対して敏感に反応する物質)を静脈注射します。後日、病巣に特殊なレーザーを照射することで、がん細胞を死滅させます。
光線力学療法には、子宮を温存でき、頸部を摘出する必要もなく、出血が少ないというメリットがあります。しかし一方で、病理診断を正確にすることができず、患者さんは治療後、2~3週間は暗室での入院生活が必要になり、退院後も光に対する対策が必要となるなど、不便を強いられることになります。また、光線力学療法を行っている医療施設は全国でもごく少ないのが現状です。
また、子宮頸がんの手術を受け、後遺症に苦しんでいるご友人のお話もお書きですが、1a期の子宮頸がんの手術では通常、排尿障害や耳鳴りなどは起こりません。ご友人の病状はご相談者とはかなり違うのではないかと推察します。