間欠的ホルモン療法はいつまで続けたらよいか
前立腺がんと診断されて、前立腺全摘術を受けました。手術の結果、精嚢にがんが浸潤していて、リンパ節にも転移がありました。手術前に予想していたよりも、がんが広がっていたようです。再発する可能性が高いとのことで、ホルモン療法を始めました。精巣からの男性ホルモンの産生を抑えるというLH-RHアゴニスト剤と呼ばれる薬剤と、抗アンドロゲン剤を併用する治療です。治療と休止を繰り返す、間欠的ホルモン療法に取り組んでいます。この治療は、いつまで続けたらよいのでしょうか。また、間欠的ホルモン療法のあと、どんな治療をしたらよいのでしょうか。
(秋田県 男性 66歳)
A ホルモン療法を受ける効果は示されている
手術により、リンパ節転移が発見されて、再発する可能性が高いとのことですから、再発予防として、ホルモン療法を行うか、行わないかということは、大きな課題の1つです。
少し古いデータですが、手術でリンパ節転移が見つかった例では手術後ただちにホルモン療法を開始したほうが生存率が高いという比較臨床試験の結果が発表されています。
ですから、ご相談者がホルモン療法を始めたのは、間違った判断ではないと思います。
ホルモン療法を受けることで、効果が期待できます。ただし、どのような方法でホルモン療法を行ったらよいかについては、はっきりと決まっているわけではありません。ホルモン療法を永久に続けるのか、途中でやめたほうがよいのか、あるいは、間欠的ホルモン療法にしたほうがよいのかについて、結論は出ていません。
ご相談者が受けている間欠的ホルモン療法は、休む期間があるため、治療費が安くなる、副作用が少なくなる、などのメリットがあります。
ホルモン療法をやっていたにもかかわらず、再発してきたときには、化学療法が標準治療です。
もちろん、痛みが出たら、痛みの治療をします。骨転移が出れば、骨転移の治療を考えます。切除したあとに局所再発が出れば、放射線治療という選択もあります。