腫瘍マーカーが上昇、再発していないか不安
2020年に左乳がんステージⅠと診断されて部分切除しました。以後、経過観察中です。腫瘍マーカーのCEAとCA15-3は正常値で推移していますが、ST-439(49歳以下の女性の基準値は7未満)が2022年6月まで基準値内でしたが、12月に270になりました。2023年6月以降は50~70ほどです。主治医は「上昇し続けなければ経過観察だけで大丈夫」と言っていますが、再発していないかとても不安です。術後はTC療法を4サイクルと放射線療法を受け、その後、タモキシフェン内服を5年の予定で始め3年目です。
(42歳 女性 栃木県)
A 再発の可能性は少ない
板橋中央総合病院
乳腺外科医長の上野貴史さん
乳腺外科医長の上野貴史さん
これは主治医の言われる通り、もし再発が原因ならばST-439の数値は上昇し続けるはずです。しかし、2023年6月以降は下降しています。ST-439はがん以外の要因でも上がることがあり、上がったのはおそらく別の原因だと考えられ、再発の可能性は少ないと思われます。CEAとCA15-3の上昇がないことも、裏付けになります。
今後もタモキシフェン服用を続けることで問題ありません。なお、ガイドラインでは腫瘍マーカーを測定することは推奨してはいません。遠隔転移は早期発見しても治癒は困難と考えられており、早期発見の意義が不明なことと、患者さんにこのように余計な心配をさせることがあるからです。