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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(13) 手指を反らすヨガ

イラスト●星奈レイ
発行:2008年11月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

「待つ時間」の楽しみ方

手指を反らすヨガ① 椅子に腰掛けた姿勢で、左手を胸の前にあげる。左手の親指を右手でつかむ

がん患者さんやその家族は、限られた時間内にいくつもの決断をしなければなりません。

どの病院、どの医師、どの治療法が最善なのか、セカンドオピニオンはどのタイミングで、どのように求めるのか。事前に知っておくべきことは何か。

友人、知人のつてを頼って、がん経験者や医療関係者や専門家の意見を聞き、その上に今ではインターネットで情報を手繰り、本や論文を読み、それらをつき合わせて検討し、判断を下さないといけません、それもごく限られた時間内に。

1人の人間の咀嚼できる情報量には限りがあります。途中からはオーバーフローしながら、しかし、どうするかを決めていくしかありません。

患者さんや家族は、時間と闘いながら同時に、待つことを求められます。

受診の予約をとって、その予約日が来るのを待つ。

② ゆっくり息を吐きながら、親指を付け根からじわーっと反らす。吸いながら人差し指をつかみ、吐きながら反らす。同じ要領で小指までいったら、左右の手を交代

当日、病院へ行って、自分の順番が来るのを待つ。ファイル一式を持って、検査部を回って、また順番を待つ、などなど。

10分単位の小さな「待つ」があり、1時間から2時間の「待つ」もあり、数日から1週間単位の「待つ」もあり、そして1年単位の「待つ」まであります。

あるときは病院の待合室で、またあるときは病室で、それからごくふつうに暮らしながら。

待つことを「待たされる」ととらえるとストレスが高まります。

むしろ小さい待ち時間を使って、「小さいヨガ」をする絶好の機会ととらえて、トライできたらすごいことじゃないかな。

小さい瞑想両手を膝に伸ばし、手のひらは上でも下でもバッグを抱えたままででもOK。目は半眼か閉眼。今している呼吸に注意集中。10呼吸を一区切りとして、2~3セット。

小さい時間とは、たとえば病院の待合室で待つ時間のことです。基本的に名前が呼ばれるのを待っているだけの時間を、能動的にヨガをする自分自身の時間にしていくのです。

ヨガというのは、ポーズも呼吸も瞑想もやり方の基本は同じ。絶えず「今ここ」ではない「いつかどこか」へと浮遊していこうとする心の表層の働きを、「何か」につないで抑え、しばらくそこにとどまること。

ポーズだったら、その「何か」とは、からだです。そのポーズによって引き起こされる筋肉感覚に注意を集中し、味わうことです。

たとえば、今回紹介する「手指を反らすポーズ」では、息をゆっくり吐きながら1本の指を反らし、その指の付け根の感覚(じわーっと反らされる感覚)を味わう。ゆっくり吸いながらもどし、次の指を同様に行う。

こうやって10本の手指ヨガを行うと、10呼吸、ゆっくり呼吸するという呼吸法にもなっています。

それから目を閉じて、何もしないで10呼吸を味わう。ただ呼吸に注意を向けて、ゆっくり吐く、ゆっくり吸う。

イライラしてきたら、そのイライラした気分も、また今ここで自分が体験していることだから、そのままていねいに味わう。

これは、不安や緊張や痛みとの付き合い方にもつながっていきます。

追い払うのではなく、屈服するのでもなく、そのプロセスをていねいに味わうことで、結果的に静かにゆるまってくるという体験です。

手指を反らすヨガ

手指ウォームアップ法の1つ。手指のしなやかさを高め、血行を良くします。

行い方

① 椅子に腰掛けた姿勢(正座やその他の座り方でも、もちろんOK)で、左手を胸の前にあげる。左手の親指を右手でつかむ。

② ゆっくり息を吐きながら、つかんだ親指を付け根からじわーっと反らす。

吸いながら人差し指をつかみ、吐きながらじわーっと反らす。

同じ要領で小指までいったら、左右の手を交代して行う。

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