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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(28) ひねりのポーズ

イラスト●星奈レイ
発行:2010年2月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

つらいときは泣いてもいいのだ

ひねりのポーズ① あおむけになり、両脚をそろえ、両腕を上に伸ばして大きく伸びをする。

私どものセンターでは、カウンセリングを軸に、必要に応じてヨガやリラックス法などをとりいれたメンタルヘルスケアのお手伝いをしています。最近では家族が、がんになったときどう受け止めるかが焦点になることがたびたびあります。

「そういえば、背中がだるい、腰が痛む、と妻は何度も言っていたのに、聞き流してしまっていた」とKさんは悔やみます。

「もっと早く気づいてあげることもできただろうに」

② 手のひらを上に向け、両腕を横に開く。両肩までゆったりと床につける。

がん患者さんの家族からよく聞く話です。

Kさんも妻の手術が終わるのを待合室で待ちながら、自責の念を抑えきれませんでした。

Kさん自身、5年前にがんが見つかり、手術にも成功。その後も副作用にさほど悩まされることなく仕事に復帰しました。定年まで勤め上げた、がん経験者です。

定年から半年、今度は妻にがんが見つかりました。奇しくも、同じ部位のがんでした。

③ はじめに軽く息を吐き、吸いながら左ひざを立て、左ももを引き上げる。

妻が見舞いに来た自分の兄弟に「早期発見でラッキーだったのよ」と言っているのを聞き、Kさんは少し驚きました。

抗がん剤の副作用とみられるひどい倦怠感に悩まされている時期もKさんの妻は「あ~、だるいよぉ」と盛大にため息をついたり、うなったりします。けれどもしばらくすると、何事もなかったかのように家事をやっています。

④ 手を左ひざにそえ、息をゆっくり吐きながら、左ひざを右にたおす。そのとき首は反対方向に向け、左指先を見るようにする。そのまま吐く息でお腹をへこませてひねりを深め、吸う息で少し緩めるという感じで4~8呼吸。ゆっくり戻し、今度は左右を変えて同様に。

Kさんが心配すると「24時間、一本調子で具合が悪いわけじゃないから。聞き流してくれていいから」とあっけらかんとしています。

思い返すと自分の場合は、なるべく感情を表に出さないようにしていたと言います。

「最初は痛みを訴えられて困惑しましたが、つらいときはあんまり我慢しないで、うなったり、泣いたりしたらいいと思えるようになりましたね」

そうなんです。愛する人から不安や痛みを訴えられると、なんとかして解決策を示したくなるのが人情ですが、「ふむ、ふむ」と聞き流してあげるのもすごく大切なサポートなのです。

そして、気分が向いたら背中や腰の冷えやだるさに有効な「ひねりのポーズ」を試してみてください。

ひねりのポーズ

ひねりのポーズは、ひざの位置や腕の位置を変えながらどんなふうに刺激が変化するのか吟味してください。そして、今自分の体が求めている心地よいポイントを探り当ててください。ゆったりと行いましょう。

吟味しながら行うとは、たとえば左ひざを床につくぐらい大きくひねると、左の肩が床から完全に浮いてしまう人もいます。そのような場合は加減して、少し戻し、左肩、左肩甲骨を床につけようとしてみてください。その加減次第で刺激が違ってきます。

左 腕も、真横より少し上方に伸ばしたほうが気持ちいい場合があります。胃腸に、もたれ感があるときなどです。また、腕を真横に伸ばすと、ひねりと同時に胸筋 が無理に引っ張られる感じがする場合は、少し下げたほうが気持ちいいでしょう。これは肩や胸の柔軟性に関係しています。

また、左ひざの位置を低めにするのと、高くするのとでは刺激がどんなふうに違うか、やってみて感じ分けてみましょう。一般的に、低めだと腰に刺激が来て、高めだと背中に刺激が来ます。

こんなふうに、「ああかな、こうかな、こうやったほうが気持ちいいかも……」と探り当てていくのを、面白いと感じていただけたらと思います。

①あおむけになり、両脚をそろえ、両腕を伸ばして大きく伸びをします。

②両腕を、横に開きます。手のひらを上に向け、両肩までゆったりと床につけましょう。四十肩や五十肩の場合、腕の位置を下げる(体側に近づける)とらくにできます。

③はじめに軽く息を吐き、吸いながら左ひざを立て、左ももを引き上げます。

④右手を左ひざにそえ、息をゆっくり吐きながら、左ひざを右手方向にたおします。同時に首を左に倒し、左指先を見るようにしましょう。そのまま吐く息でお腹をへこませてひねりを深め、吸う息で少し緩めるという感じで4~8呼吸行います。

最後にゆっくりと戻し、今度は左右を変えて同様に行いましょう。

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