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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(29) 木のポーズ

イラスト●星奈レイ
発行:2010年3月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

「片足で立つ」ことが集中力を高める

「ヨガは初めて」という人が受講に来たときは、基本的なポーズをいつも以上に丁寧にしっかりと行うようにしています。

基本的なポーズというのは、見た目にわかりやすいのです。比較的容易にでき、その効果が実感できます。その実は奥が深く、ヨガ歴10年の人にも新たな気づきをもたらしてくれる味わい深いポーズのことです。

その1つが、今回紹介する「木のポーズ」です。

平衡感覚を養い、集中力を高めます。

たとえば、床に座って両脚を前に伸ばすと、後ろに倒れそうになり、足指のウォームアップもままならない人がいます。一般的な意味で、体がすごく硬い人です。

反る動作もうつ伏せになって、右手が右足首をつかめないとか(「弓のポーズ」参照)、体側を伸ばすのも困難で、体幹をねじるのも逆転するのもおっかなびっくりという人が、案外「木のポーズ」はいけます。

逆に言うと、柔軟性が高く、どんなポーズもこなせてしまう人が、バランス系のポーズは苦手なんてことも少なくありません。

年齢とともにバランス能力は急速に低下しますが、鍛えることはできます。少しずつトライしてください。

さらにこのポーズは、集中力が養われます。姿勢と呼吸を整え、1つひとつ焦らずに集中するのがコツです。途中でグラグラしてくることで動揺し、さらにぐらつきます。みんなの中で初めて体験してもふつうに落ち着いて行えるのは例外的なケースです。たいていは、家に帰って1人でやってみるとずっと楽々できます。

ところが、しばらくすると周りに人がいてもいなくても、すっと集中できるようになります。メンタルヘルス上の問題を抱えているような場合、このポーズが回復の目安になるといっても過言ではありません。

ところでこのポーズ、左右どちらの足を軸足にするかで、かなり差が出てきます。

ボールを蹴るとしたらどちらの足で蹴るか想像してみてください。右足で蹴るという場合は、左足が軸足です。左足を軸足にしたほうが、ずっと安定します。

では、左右差がある場合は、どうしたらいいのでしょうか。

以前、私は苦手なほうを少し長くキープするようにしていましたが、今は少し考えが変わりました。楽にできるほうからやって、コツをつかんだうえで、苦手なほうも苦手なりに行いましょう。

もともとバランス能力が高い人にとっては「木のポーズ」を、目を開けたまま行うのはラクすぎて退屈になるくらいです。完成ポーズ④で、前を見たまま瞼を静かにおろし、半眼から閉眼にします。まぶたの奥で最初に決めた前方1点を見つめてください。

木のポーズ① 足をそろえて、脊柱をすーっと伸ばして立つ。視線を前方の1点にすえる。遠目に目印を決めるとよい。
② 左足にゆっくり重心を移行し、右足を手に持ち、ももの付け根まで引き上げる。足はひざ近くまでずり落ちてもOK。
③ 両手を胸の前で合掌する。
④ の姿勢で安定したら、合掌した手をゆっくり上方に上げる。前方1点をやわらかく見つめ、楽な呼吸で、ゆっくり10数えるくらいの間キープ。ゆっくり、順序を逆にたどり①に戻り、左右の足を変えて2セット行う。

木のポーズ

やさしい行い方右足のつま先を左足の甲の上に載せ、両手を横に開くポーズ。これだけでも十分にバランス能力を高めることができる。

①両足をそろえて、脊柱をすーっと伸ばして立ちます。視線を前方の近すぎない1点にすえましょう。鏡の中の自分と目を合わせる方法もおすすめできません。できれば壁か窓の動かない目印を決めることです。これ以降はその目印を見たまま行いましょう。

②左足にゆっくり重心を移行し、右足を手に持ち、ももの付け根まで引き上げましょう。右ひざに力を入れると安定します。股関節が硬かったり、太ももの筋肉が発達していると、足はひざ近くまでずり落ちますがそれで大丈夫です。

③胸の前で合掌します。この姿勢で安定したら、ゆっくり合掌した手を上方に上げていきましょう。

前方の1点をやわらかく見つめながら、余分な力を抜き、普通に楽な呼吸をしながら、ゆっくり10数えるくらいの間キープします。ゆっくり順序を逆にたどり①に戻り、左右の足を交代して行いましょう。これを2セットします。

 *初心者は壁の横に立って「木のポーズ」を行うといいです。バランスが崩れても壁に手をつくことができるので安心してトライできます。もし途中で壁に手をついたら、最初に戻って行います。

やさしい行い方

右足のつま先を左足の甲の上に載せ、両手を横に開くポーズです。これだけでも十分にバランス能力を高めることができます。

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