術後の変化、担当医に報告すべきことは?
Ⅱa期(ホルモン感受性有・HER2陰性)の母(62)について質問です。先日、全摘後のホルモン療法(ノルバデックス*)が終了し、経過観察へと入りました。ただ、脳や骨、肺などへの再発が心配です。どのような兆候に気をつけ、どのような変化があれば担当医に報告すべきなのでしょうか? 教えてください。
(神奈川県 女性 39歳)
A しこり・骨痛などに注意
医療者側からの術後の経過観察は、局所再発、リンパ節再発、新たな対側乳がんの早期発見が主目的です。
ガイドラインからは、遠隔転移の早期発見を目的にした胸部X線撮影、CT(コンピュータ断層撮影)、骨シンチグラフィ、マーカー測定、PET検査などは、症状のない場合は不要とされています。
遠隔臓器への再発で、症状がおきる場合には、病巣がかなり進んでからのことが多く、心配して早くみつけても、現在のところ残念ながら治癒は不能です。あまり神経質になってもメリットはありません。
むしろ局所(胸壁)、リンパ節(腋窩、鎖骨上、頸部)にしこりがないかどうかを、定期的に自己チェックすることが薦められます。
治療関連の合併症としては、上肢(腕)の浮腫出現や、子宮の不正出血などにも注意が必要となります。
遠隔転移の症状としては、肺転移が進行すると、呼吸困難感、咳、痰の増加などが出現します。肺のしこりとして再発した場合、大きくなるまでほとんど症状はありません。
骨転移では骨痛を生じます。運動と関係なく、夜間就寝時におきる痛みなどでは転移が疑われます。足、指などの細い骨に転移をすることはあまりありません。
転移による骨痛は、ほとんどが進行性なので、痛みが長期間変化しない場合は、良性の原因のことが多いです。
脳転移の場合、頭痛、嘔気などの脳圧亢進*状態で見つかる場合と、神経症状、性格変化などで発症がわかる場合があります。このような症状があれば、画像検査などを施行して転移の有無を調べることになります。
*ノルバデックス=一般名タモキシフェン *脳圧亢進=脳のむくみ