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普及が進む子宮がんのロボット支援手術

深い部位に微細な施術 ロボット支援手術のメリットを発揮

監修●井坂惠一 東京医科大学病院産科・婦人科主任教授
取材・文●「がんサポート」編集部
発行:2014年4月
更新:2015年4月

  

「ロボット支援手術は婦人科系のがんに より効果を発揮します」と話す井坂惠一さん

近年、急速な普及が進む腹腔鏡下ロボット支援手術。前立腺がんでは日本でも保険適用されているが、婦人科系のがんへの利用も検討されている。
“ロボット支援手術”とはどのような仕組みで、メリットは何か。

米国で拡がる 婦人科系のがんへの利用

子宮頸がん、子宮体がんの治療選択の中で、多くとられるのが外科的な切除だ。その手術の新しい方法として「ロボット支援手術」が近年導入されてきた。

装置の名称から「ダヴィンチ手術」と称されている(写真1)。
ダヴィンチは、日本では前立腺がん治療に対してのみ2012年4月から保険適用されている。

「発祥した米国では現在、婦人科系のがんへの利用が泌尿器系を上回っています」

日本で初めて子宮がんにダヴィンチ手術を導入した東京医科大学病院産科・婦人科主任教授の井坂惠一さんは医療界の流れを話した。

写真1 腹腔鏡下手術支援装置「ダヴィンチ」

戦場での遠隔手術が発端 多関節で自在な動き

ダヴィンチは、もともとは米国・国防総省などが開発した技術で、戦場で負傷した兵士を、遠隔地にいる医師が治療できるように開発された。

それが、一般の医療現場に導入されてきたのは最近十数年のことだ。

井坂さんは、「メリットはたくさんあります。繊細な動作、3Dモニターによる視認性、そして医師の技術習得の速さなどです」と、ダヴィンチの有用性を強調した。

具体的な手術は、1本の内視鏡と3本のアームを持つロボットが行う。それぞれのアームは多関節で、先端には用途に応じた鉗子を装着できる。微細な動きが、ブレることなく行える。

従来の腹腔鏡下手術の器具では、関節に限界があり、曲げられる方向も限られている。また、人間が手術する場合、手の微妙な震えも防ぎ切れなかった。

それらの課題を解決し、より繊細な手術を可能にしたのが、「ダヴィンチ」というわけだ。

モニターを通して 熟練医師からの指導も

医師は、患者から離れた操作用の機械に座り、指をコントローラーに装着して患部の3D画像を見ながら、実際にメスを握っているかのように指を動かす。その微妙な動きまでが正確にダヴィンチに伝わり、患部にメスを入れる(写真2、3)。

写真2

執刀医は3D画像を見ながら施術する
写真3

指先のセンサーを通して微妙な動きをロボットに伝える
写真4

ダヴィンチの鉗子の先とそれで作られた折り鶴

写真5

モニターを見た医師からの指示もリアルタイムで伝わる

「細かいところまでメスを入れられます。開腹手術の際に肉眼では見えにくいような神経や血管周辺が、目の前に拡大されて立体的に見えるようになります。実際の患部では数㎜の部分でも、操作している医師には大きく見え、それに合わせた大きな動作で処置すると、患部にはミリ単位で伝わるのです」

東京医科大病院のダヴィンチトレーニングセンターでは、3㎝四方の折り紙で鶴を折るトレーニング方法を用いている。(繊細に折らないと紙が容易に破れる)(写真4)。

さらに、手術中の患部の様子がモニターに映し出され、モニターを通して執刀医に切除方法をリアルタイムに指示できるようになった(写真5)。

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