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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア 69「安座で体側を伸ばすポーズ」

イラスト ● 星奈レイ
発行:2013年8月
更新:2013年11月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

落ち込み気味でも大丈夫

安座で体側を伸ばすポーズ① 尻は左右均等に、頭は風船のようにふわっと持ち上がるイメージで、楽な足の組み方をして、姿勢を整える

乳がんサバイバーのYさんは以前からヨガが大好き。術後もヨガを欠かさず続け、現在、東京や千葉でいくつかクラスをもっています。

がんを体験した友人やがんをきっかけに知り合った友人たちとヨガの時間をもてたらというのが、Yさんの願いです。

というのも、がん患者さんにとって(それ以外の人にとってもですが)、気分のアップダウンにどう対処するかは、重要な問題で、うつ状態に陥っている人も少なくないからです。

「わたしたちがんサバイバーは、急に体調を崩したり、ひどく落ち込むこともあるし、なかなか予定通りというのは難しくて。こんなときこそヨガをしたら、ずいぶん気分が変わるって、わかっているけど。おしゃべりだけでなく、体と対話する時間をはさむことで、雰囲気がいい感じになりますよね」とYさん。

② 息を吐き、ゆっくり吸いながら両腕を水平の位置まで静かに上げる

だから、がんサバイバーがゆるやかに集まって、「ヨガときどきおしゃべり」という場を、たとえば、保健所の中でつくれないかとYさんは模索しているわけです。

本当にその通り。体との対話は場をなごやかにします。

「こんなこというべきじゃないかも」といったネガティブな「べき思考」はかぎりなく霧散し、「なんかここをもっと伸ばした~い」「こうすると私はすごく楽になるけど、どうかな?」と、本当の意味でのポジティブシンキングがいつのまにか心の主流になっています。

乳がんが発見されたとき、主治医から「手術後のことですが、Yさんはどう生きていきたいですか。人生の目標は何ですか」と質問されたそうです。

③ 息を吐きながら、ゆっくり右に倒し、右手は床につき、左腕を上方に、さらには顔に近づけ、体側を伸ばす

今まで通りヨガをしながら、できればヨガを教えながら生きていきたいとYさんは即答したそうです。

そして術後間もなくヨガを再開しました。

「でも、少しがんばりすぎて、傷口が裂けちゃうんじゃないか心配になったことも」

すると主治医は「傷口はすぐに治ります。筋肉だって少々痛めても治りますから、そんなに心配しないで、やりたいことをやって大丈夫」と請け合ってくれたのです。

患者さんの人生観を最初に聞いてくれた主治医。Yさんはとてもラッキーだったのかもしれません。

どう生きるかということに濃密に向き合うのが、がんという体験かもしれません。Yさんも、迷ったり悩んだりしたときには、この「やりたいことをやって生きよう」という原点に戻るのだそうです。

でも、どんなに好きではじめたことでも、やる気がわいてこない日もあります。そんな日が続くこともあります。そんなときは目を閉じて、しばらく何もしないでいよう。しばらく何も考えない。数分でもいいからなんにもしないことをお勧めします。

④ 息をついで、吐く息で顔を上方に向ける。このまま自然呼吸で6~10呼吸キープ。順序を逆にたどってゆっくり①にもどす

それから、おもむろに気が向いたらでいい、洗面だけする、あとのことはそれから考えよう。とりあえず着がえだけして、それから考えよう。玄関から外まで出てそれから考えよう。そうやって、先の先まで考えないで、一番手前のことだけ考え行動するのが、落ち込んだときのコツです。

気が向いたら今月紹介する安座で体側を伸ばすポーズもやってみてください。

安座で体側を伸ばすポーズ

お尻は左右均等にしっかり床につき、頭は風船のように軽く、肩から離れ上にふわっと持ち上がっているとイメージすると脊柱が自然にすっと伸びる。

そこからスタート。

① らくな足の組み方をして、姿勢を整えます。

② 息を吐き、ゆっくり吸いながら両腕を水平の位置まで静かに上げましょう。

③ 息を吐きながら、ゆっくり右に倒します。右手は床にそっとつき、左腕を上方にあげたら、さらには顔に近づけ、体側を伸ばします。

④ 息をついで、吐く息で顔を上方に向けます。このまま自然呼吸で6~10呼吸キープしましょう。順序を逆にたどってゆっくり①にもどします。

今度は反対側を行います。余力があれば、脚の組み方を変えてもう1セットしましょう。

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