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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア 71「やさしいサギのポーズ」

イラスト ● 星奈レイ
発行:2013年11月
更新:2014年2月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

今、体のどこに効いている?

やさしいサギのポーズ① に腰を下し、両脚を前に伸ばす

「リレーヨガ」と私が勝手にネーミングしているセッションの進め方があります。

参加者の中にヨガ歴4~5年以上の習熟者がいると、かなりおもしろくなってきます。でも、初めてという人が混じっていても全然OKです。

まずリラックスできるらくな座り方で座り、呼吸に注意を向けます。普段している呼吸より少しだけていねいに、とくに吐く息をていねいに心がけて5呼吸します。

たった5呼吸でも、姿勢を整え、呼吸を整えることで、気持ちも整ってきます。

② 膝を立て、息を吐きながら、ももを胸に引き寄せ、両手で足をつかむ

次に自分の体の内側に注意を向けます。自分の体が今、どんな感じなのか、こっている感じや冷えた感じ、あるいは火照った感じがするところはないか、痛みや違和感があるところはないか、体の内側を眺めていきます。懐中電灯を想像して体の内部を順番に照らしていくイメージです。

でもそんなに時間をかけなくていいのです。首から上に1呼吸、肩・背中に1呼吸、お腹に1呼吸、手足に各1呼吸くらいで十分です。

がんサバイバーたちのグループで「リレーヨガ」をおこなったときのことです。がんの種類も違うし、治療方法も違うし、手術してからの期間もまちまちです。それにもともとの体質・体癖も人さまざまです。

③ 静かに息を吸いながら、膝を出来る範囲で伸ばす

さて誰から始めてもいいのですが、私はよく1月生まれの人から始めてもらいます。たとえば、その1月生まれの人が、ふくらはぎが冷えていると言ったとします。

その人のヨガ歴が長ければ、私は尋ねます。「どんなポーズを今、したいですか?」すると「ふくらはぎが温まる○○のポーズがいいかな」とリクエストが返ってきます。

参加者みんなでそのポーズをやってみます。リクエストした本人にインストラクション(指導)してもらうこともあります。

④ 自然呼吸でお腹を引き締め、右足をできる限り上に、上体は後方に。右足先を手前に下げてアキレス腱を伸ばすとより効果的。そのまま10呼吸キープ。ゆっくり①に戻し、左足も同様に。2セット

次に2月生まれの人が、今日初めてヨガをする人だったら、たった今行ったポーズで、自分の体が今どんな感じか、話してもらいます。

体の感覚は非常にプライベートな領域ですから、あまり口にしたくないという人もいます。だからもちろんパスしてもいいのです。

たとえば、その人が頸から肩がこっている感じと言ったとします。それを受けて私は頸や肩をほぐす効果の高いポーズを提案し、みんなでやってシェアします。

とくに何もない、というのも「今ここ」での気づきです。その場合は、その前に行ったポーズとは逆の方向に動かすポーズを行ないます。

こうして1人の体からのメッセージを次の人に、リレーのように繋ぎながらヨガセッションの流れをつくっていきます。

リレーヨガをすると、自分の体を注意深く扱うようになります。自分の体の発するメッセージを吟味して、聞き分けられるようになります。

痛みや不快をおそれたり、無視したり、すぐに解消すべきととらえるのとは一味違う痛みや不快との付き合い方もひらかれてきます。

今回紹介する「やさしいサギのポーズ」を例に挙げると、基本的には前屈系のポーズですから、背中・腰、脚部の裏側が伸ばされ、腹部は収縮されます。

1人が「坐骨からひざ裏まで、ももの裏側が気持ちいい。よく腰やお尻が冷えるけど、効きそう」と言うと、他の人は同じポーズを通して自分の体をていねいに探索することになります。

それが自分の体とコミュニケーションするきっかけになります。そして人との違いも自然に受けとめるようになります。違いもふくめてシェアして和んでくるのです。

1人でヨガをしていても、ポーズを通して自分の体とコミュニケーションするということを大切にしましょう。自分の体は「今日もよくやっている」のです、そのことを実感できたら最高です。

やさしいサギのポーズ

①  床に腰を下し、両脚を前に伸ばします。
②  右膝を立て、息を吐きながらももを胸に引き寄せ、両手で足をつかみます。
③  静かに息を吸いながら、膝をできる範囲で伸ばしましょう。
④  自然呼吸しながら、お腹を引き締め、右足を出来る限り上に、上体は足にぶら下がる感じで後方に。右足先を手前に下げてアキレス腱を伸ばすとより効果的です。そのまま10呼吸キープしましょう。ゆっくり①に戻し、左足も同様に。2セット行います。

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