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森川那智子のゆるるんヨガdeほっ! ゆるゆるセルフケア 105

痛みがあっても、苦痛は減らせる <背中で足を持つバランスのポーズ>

森川那智子 こころとからだクリニカセンター所長
発行:2016年9月
更新:2016年9月

  

もりかわ なちこ こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。『なんにもしたくない!』(すばる舎)『リラックスヨガ』(成美堂出版)など著書多数。近著に『心がラクがずっと続くヒント』(青春出版社)

手術後7日を過ぎていれば、どんなに身体を動かしても、傷口が破けるなどということはありません。でも傷口周辺の皮膚のツレなどで、手術前のようにスムーズに身体は動きません。だからといってかばって動かさないでいると筋肉の柔軟性は急速に衰えます。

リハビリを十分やった人とそうでない人では、半年後1年後にはますます運動機能に差が出てきます。あの時期、痛いのと面倒なのとで、「ついつい甘やかしてしまったなぁ」と思っている人も、今からでもリハビリ体操やヨガをやっていきましょう。必ず楽になっていきます。

痛みの感覚にとどまってみる

「痛いと私はブチャくなる」というテレビCMがありましたが、ちょっとした痛みでも、受け止め方次第で不安や緊張が高くなります。痛みを感じたその瞬間、どんなつぶやき(思考)が心をよぎるのかに、少し気をつけてみましょう、ちょっとした好奇心をもって。

これは自分が普段何気なく、あれやこれや心に思い浮かべていることを少し客観化して見ていく作業です。たとえばリハビリ体操やヨガで痛みを感じた瞬間、どんな考えが浮かんでくるでしょうか?

「ああ、ヤダなぁ」とか「さぼってたら、また身体、固くなっちゃった!」とか、「楽しみながらやるなんてムリムリ!」とか、あげくは自分が努力も根気も続かないダメ人間のような気がしてしまうとか。

これは痛みを感じた瞬間、ただ痛みを感じているだけでなく、痛みをねじ伏せようとしたり、めげそうになったり、言いかえれば痛みと格闘しているわけです。

痛みを感じた瞬間、痛みの感覚以外のこれらのつぶやきが重なって、いっそう顔をしかめたり、体をこわばらせているかもしれません。

痛みを感じたら、先のCMのように思いっきり〝変顔〟して、それによって、顔面や首肩にどう力がはいっているか観察すると、少しリラックスしてきます。そう、今この瞬間、身体はどうなっているか、身体のどの部分が緊張しているのかに意識を向けるのです。

痛みを取り除こうとするのでもなく、痛みから気をそらすのでもなく、まして痛みの原因を考えるのでもなく、痛みの感覚に少しとどまってみる。呼吸しながら。痛みも自分の一部だから血も通っているし、息もしていることに気づかされもします。

ヨガでは痛みの感覚を注意深く扱います。ある部分をゆっくり伸ばして、「少し痛いけれど気持ちいい」のはどのあたりまでか、内部感覚を探っていきます。

リハビリヨガの場合は、肩や首から余分な力を抜いて、痛いけれど、すごく痛いほどではないところまで探ります。

それからバランス系のポーズを必ず取り入れます。地味だけど、体幹が鍛えられ、それほど痛みなくできるからです。できると少し達成感が味わえます。

<背中で足を持つバランスのポーズ>

見た目は地味なポーズですが、結構きつい。きついけれど、やっているうちにバランス力が確実にアップします。

バランス系のポーズは、バランスがうまく取れないと、どっと汗が吹き出します。残暑厳しい季節柄、首に巻くとひんやりするタオルなどを利用して、落ち着いてやってみよう。ぐらつきそうだったら、壁の横に立って行おう。よろっと来たら壁に手をついてやり直しましょう。

まず②まで行けば十分です。次は③の前半、そして後半。少しずつ段階的に進んでください。

❶両脚をそろえて立つ。つま先は正面に向けて。両手は腰に当て、脊柱をすっと立てる。前方1点を柔らかく見つめる。

❷左足に重心を移し、右膝を後ろに曲げる。両腿、両膝をそろえる(ともすると右膝が前に出やすいので留意しよう)。これだけでも腿の裏の筋肉がぴくぴく。

背中で足を持つバランスのポーズ1
背中で足を持つバランスのポーズ2

❸右手で右足の甲をつかむ。そうはいっても初めは手が届かない。届いても足をつかめない。やれるところまでやればいいとします。次いで左手を同様に右足をつかんでいる右手の上からつかむ。

❹両肘を少し曲げ、両手で足裏を尻に近づけ、肛門を軽く締め、お腹を締めて、そのまま4~8呼吸保つ。

背中で足を持つバランスのポーズ3
背中で足を持つバランスのポーズ4

❹’④を後ろから見たところ

❺ゆっくり③②①ともどし、両足を腰幅に開き、目を半眼にしてリラックス。呼吸が整ったら、今度は左右の足を交代して同様に行う。2セット。

背中で足を持つバランスのポーズ4’
背中で足を持つバランスのポーズ5

 

●こころとからだクリニカセンター PC www.kokokara.co.jp/ 携帯 www.kokokara.co.jp/m/

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