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森川那智子のゆるるんヨガdeほっ! ゆるゆるセルフケア 112

「小さい瞑想」がもたらす小さくない変化 <肩甲骨を寄せるポーズ> <胸の前で腕を絡ませるポーズ>

森川那智子 こころとからだクリニカセンター所長
発行:2017年4月
更新:2017年4月

  

もりかわ なちこ こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。『なんにもしたくない!』(すばる舎)『リラックスヨガ』(成美堂出版)など著書多数。近著に『心がラクがずっと続くヒント』(青春出版社)

「小さい瞑想」とはちょっとした待ち時間を使って瞑想することです。例えば、信号を待っている間、スーパーのレジを待っている間、銀行のATMを待っている間、電車を待っている間、エレベーターを待っている間などなど、日常生活の中で生じる小さな待ち時間を使っての瞑想です。

自分の今している呼吸に注意を向ける。特別、腹式の呼吸しようとか、吐く息(呼気)を長くしようとか計らわないでいい。ただ今している呼吸、その一瞬一瞬を意識して追ってみる。

あるいは今この瞬間、半ば無意識的に行っている自分の姿勢に注意を向けてみるのもいいですね。肩はどうか。自分の肩は今、どんな感じか。たいていは注意を向けると肩の力が少し抜けます。ということはいつの間にか力が微妙に入っていたということで、「なんでだろう」と考えたくなるかもしれませんが、深追いはしない。「ああ、そうか」で、そのまま体や呼吸に意識を戻す。

「マインドフル瞑想」です。ストレス緩和に大きな効果があることが認められています。

ちょっとした小さな待ち時間で

私たちの心は絶えず今ここから離れて、ふわ~っとあちらこちらに漂います。

「早く電車来ないかな」、「早くしないと困るのだけど」とか、「前のお年寄り、ATMでやたら手間取っているみたいだけど、振込み詐欺にあっているわけではないか」とか、心はワンダーリングしています。

でも、この体は、当たり前だけど、いつも今この瞬間にあります。「今この瞬間ここにある」。自分の身体の一部あるいは全体に注意を向けることで、心を今この瞬間につなぐことができます。

呼吸もまた同じで、いつの間にか昨日の呼吸をしていたということはありません。1日のうち、いくつも訪れる小さな待ち時間の1つか2つでいい、小さい瞑想をしてみることを、私はストレスが高くなっている人たちに提案します。

ところが最近はそんな小さな待ち時間も、半数以上の人がスマホを手にしているのですね。信号待ちでさえも。そりゃ、目も疲れるでしょう。首、肩が凝るはずです。

私も少し前にスマホに変えました。それまで「携帯」なのに携帯してないことでたびたび周囲に迷惑をかけていましたが、スマホだと確かに持ち歩くようになります。それはよかったけれど、うっかりすると電車の中でも見ています。急ぎメールを返信したいときなど、エレベーターや信号待ちの間にも開きたくなって、あらら。

日常生活に瞑想を取り入れる

もともと日本人はストレスが多いと肩こりとして感じる人の割合が高いのですが、スマホを長時間操作しているために生じる目、頸、肩の疲れはそれとは異次元のハードなものです。

気づいたときに、ただ目を閉じるだけでもいい。それから今月紹介する2つのポーズをぜひ日常生活で使ってください。ストレス負荷が高くなってくると、小さいマインドフルネス瞑想も、こうした体を和らげることも面倒くさく感じるようになります。それは体が発している黄色信号ですから、意識的に取り入れましょう。

今月紹介する2つのポーズ、写真では正座で行っていますが、椅子に腰かけたままでも、立った姿勢のままでもできます。

<肩甲骨を寄せるポーズ>

写真では正座ですが、安定した楽な座り方ならどういう座り方でもOK。

①両腕を背中に回し、手を組む。このとき、両手のたなごころを合わせるようにする。軽く息を吐き、肩の力を抜く

肩甲骨を寄せるポーズ1

②静かに息を吸いながら、背中で組んだ両手を(たなごころをつけたまま)後方上方に引き上げる。同時に胸を開き、喉を伸ばしアゴを上げ、目は上に。このまま、自然呼吸で4~7呼吸キープ

肩甲骨を寄せるポーズ2
肩甲骨を寄せるポーズ3

③ゆっくり戻して、呼吸を整え、今しがた行ったポーズの〝余韻〟を味わう。手の組み方は普通いつも同じ側の手が上に来る。今度は組み方を変えてもう一度

肩甲骨を寄せるポーズ4

<胸の前で腕を絡ませるポーズ>

①左の前腕を胸の前で立てる。息を吸って、

②息を吐きながら右腕を左肘の下から回し、左右の肘を交差させる

胸の前で腕を絡ませるポーズ1
胸の前で腕を絡ませるポーズ2

③ここから自然呼吸で、右手を左前腕に絡ませるようにして、左親指に右の親指と人差し指をかける。じわじわと右手を左手に合わせる。4~8呼吸。肩甲骨の左右が広げられているのを意識する

胸の前で腕を絡ませるポーズ3
胸の前で腕を絡ませるポーズ4

④ゆっくりもとに戻し、呼吸を整えながら、今しがた行ったポーズの〝余韻〟を味わう。左右の腕を逆にしてもう一度

胸の前で腕を絡ませるポーズ5

 

●こころとからだクリニカセンター PC www.kokokara.co.jp/ 携帯 www.kokokara.co.jp/m/

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