森川那智子のゆるるんヨガdeほっ! ゆるゆるセルフケア 115
「夏こそ、脚を冷やさない工夫」 <眠るシバ神のポーズ>
がんの術後や治療中は、冷房に対してより細やかに工夫することが必要です。自分が以前より冷えに敏感になったと感じている人は、当然ながら夏場こそ自衛策が求められます。どこに行くにしても膝掛け1枚とレッグウォーマーやサポーター、腹巻なども用意したいですね。
そして1日の終わりには、冷えからの回復ケアを積極的に行ってください。寝つきもよくなり、睡眠の質の改善につながります。
下肢の冷えは、むくみやだるさとセットになっています。
エアコンをかけて生活していると、下半身は運動不足も重なって、冷えが深刻化します。ほかの季節なら一駅約20分ほど歩くことを勧めますが、酷暑ではそうもいきません。
家に帰って、のんびりゆっくりとヨガをするのを試してみてほしい。
ヨガをするときは、冷房をいったん切って、常温で行います。初めは暑く感じるかもしれませんが、ヨガのポーズをしているうちに、体の深部がじわっと温かくなり、皮膚表面はしっとり汗ばみ、余分な熱を取り、周囲の暑さがさほど気にならなくなってきます。
汗は天然の保湿剤
今月紹介する「眠るシバ神のポーズ」は、下肢の疲れをとるには最適のポーズです。
それに最初のスタートの姿勢をとったときから、なんだか気持ちいいのです。肘枕(自分の肘を曲げて枕代わりにする)という姿勢自体が、のどかで気ままな気持ちにさせてくれるのでしょう。
夏の夜、風の通る畳の部屋で、静かにヨガがやれたら最高です。かすかに蚊取り線香の匂いがして……おっと、これは文化遺産クラスの情景かもしれません。
けれども、蒸し暑い夏の夜、ヨガをしたら汗が噴き出して、そのあとはシャワーを浴びないといけない、と思い込んでいる人が意外と多いのです。汗をかく=不快というのが固定観念になっているのですね。
汗が天然の保湿剤ということ、すっかり忘れられています。
<眠るシバ神のポーズ>
脚は「腰から下、全部」という意識をもって行います。
①左体側を下にして横臥し、足の先から手の先まで一直線に伸ばすというイメージで、左腕を肩からぐーっと伸ばす
②左肘を曲げ左手で頭を支える。右手は胸の前に置き、姿勢を安定させる。両足の甲、両膝を正面に向ける
③息を吐いて、肛門を閉じ、お腹を軽く引き締めて、ゆっくり息を吸いながら右脚を、足の甲、膝を正面に向けたまま上方に引き上げる。脚全体を足先の方向にぐーっと伸ばすという感じで。下の左脚もしっかり伸ばしている。そのまま無理のない呼吸で10~20秒保つ
「③の勘違い」は、一見気持ちよく、高々と脚を引き上げているが、脚の向きが違っている。このポーズでは、足の甲、膝の向きに注意深くありたい
④次に両脚をそろえて引き上げる。下になっている左脚で、上になっている右足を支えているようなつもりで。左脚腿の内側が使われているのを感じてみよう。上になっている右体側のウエストあたりがプルプルする。このまま10~20秒キープ
ゆっくり戻し、いったん仰向けになって呼吸を整え、今度は左右を反対にして行う。2セット
終了後はゆったりのんびりくつろぎます。吐く息を長めに、お腹を沈ませるようにして丁寧に吐く。吸うときは、お腹をいくらか持ち上げて、自然に入ってくる分だけでいいのです。8~10回腹式呼吸を行うだけで、今まで行っていたポーズの効果を深め、全身の血流がさらに促進され、心も体も深くくつろいできます。
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