マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第24回 晴れた日はお天道さまの下で <喉を開くポーズ>
「エライことになりましたね」
ご近所さん同士の挨拶です。マスク越しにいささか小声で。
言葉をあえて発声しないで会釈(えしゃく)だけの人もいます。
エレベータ―内での接触も減らそうと、すでに乗っている人がいれば階段を使う人もいます。それくらい気をつけている人もいれば、時短営業で普段よりずっと早めに閉店する呑み屋に、普段よりずっと早めに呑みに行く人もいます。
緊急事態宣言が7都府県に発出されて
「人との接触を8割減らせれば、1カ月で新型コロナ感染拡大を終息させられる」というのは〝8割おじさん〟こと北海道大学の西浦博教授。これまでの全国の感染データを分析している厚生労働省のクラスター(集団感染)対策班のメンバーです。
ところが周知のように、安倍首相は緊急事態宣言を出す際に、人との接触を「7割から8割減らす」と言ったのでした。
何故か6割ぐらいでもいいらしいという説も出回っていますが、それでは3カ月以上の長期に及ぶというので、西浦教授は「なぜ8割減か」の根拠を示すために積極的に発信(「このままでは8割減できない」「8割おじさん」こと西浦博教授が、コロナ拡大阻止でこの数字にこだわる理由)。緊急事態宣言が7都府県に発出されて1週間、外出や行動制限の厳しさが日ごとに増しているのが実感されます。
「1カ月で終わらないのはお前んとこのせいか」って言われそうなのが嫌で、「ま、やせ我慢するしかないか」というのが正直なところでしょうか。デパートをはじめ、ほとんどの商業施設が最低GW明けまで休業。一部営業している食料品階も午後5時で終了。大きなターミナル駅周辺は閑散としています。
私のセンターでは、パーソナルセッションはスカイプ(Skype)等に切り替えられる方にはそうしてもらっています。けれどプライバシーが自宅では保てないという方もいます。センターに行き来する道中も、セッションの重要な一部ですし。
また、乳がんサバイバーのための、サバイバーによるヨガおしゃべり会はお休み中ですが、近いうちにオンラインで始めるつもりです。
イタリアやスペインはもちろん、アメリカもフランスも都市封鎖をして、それに違反すると罰則(同時に休業補償も設けて)という徹底ぶりを見せても、1カ月で終息した国はまだ見られません。
100年前のスペイン風邪と同じように、人と人とのリアルな接触をできるだけ回避するという方法しかないみたい。感染症の研究者は100年の医学に進歩は何だったんだろう、と敗北感を味わっているらしい。
コロナの緊張疲れに、免疫力を高めるポーズを
首相は、「新型コロナの感染拡大が終焉(しゅうえん)したとは、どういう状況を指すのですか」という質問に対し、以前、「国民の約7割がすでに感染して、抗体を持っている状態」と答えていました。
人との接触を7~8割に抑え、医療崩壊を招かないように症状の軽い人は、医療機関外の宿泊施設か自宅で2週間過ごし、ほとんど症状の出ない感染からの回復者も増加させつつ、ついに国民の7割が感染したことのある人になっているという状態までに、どれくらい時間がかかるのか。
それに、一体どうやって、7割の人がもう抗体を持っているとわかるのかしら、と疑問に思っていたら、あるのですねえ。新型コロナウィルスに対する抗体検査というのが。血液1滴で、15分でわかるというのです。
私たちの人体はウィルス感染後、数日でIgM抗体が生じ、かなりの時間が経ってから中和抗体であるIgGが生成され、感染は終結に向かうのだそうです。
したがって、新型コロナウィルスに対するIgM抗体を測定することにより、感染が現在生じているのかどうかが明らかとなり、IgG抗体が陽性であれば、すでに感染を克服している可能性が高いという(【識者の眼】「新型コロナウイルス感染症:抗体検査を一刻も早く確立せよ!」浅香正博)。
フランスではこの検査をして、抗体を持っている医療従事者が感染者治療の最前線に配置されているとか。いつ自分も感染するのかと恐怖を感じながら治療にあたるのではないので、それだけでもストレスが和らぐ、と現場の看護師がインタビューで語っていました。
でもその試薬は現在のところ中国とアメリカが独占的に持っているそうで、日本でも独自に生産して、秋ぐらいにできるかということらしい。
希望を見出していいのでしょうか。後は休業補償ですね。
そして1人ひとりの免疫力を高めること。
新型コロナでスマホやパソコンを見る時間が増えている人、TVのアドレナリン全開のキャスターたちの声を浴びて、知らないうちに体が緊張している人、今月は免疫力を高める<喉(のど)を開くポーズ>でメンテナンスしましょう。
<喉を開くポーズ>
見た目には決して珍しくなく、だれでも見たことある、やったことがあるというポーズではないでしょうか? だからこそ「心ここ」、マインドフルネスでね。晴れた日はお天道さまの下で、喉を日光浴させるつもりでやっちゃいましょう。
①正座しても安座でも、自分にとって楽な座り姿勢をとります。脊柱はすーっと立てています。両肩を拡げて、心もち肩先を下げ、両肘(ひじ)を体の脇に軽く引きつける。
②両手の指先を交互に差し入れ、胸にそっと置く。胸板の厚い人は指先が軽く離れるかもしれません。胸板が薄いと、指先は多少深めに差し入れることになります。
③まず息を吐いてから、ゆっくり吸いながらアゴを上げ、さらに吸いながらアゴを上方に向け、目も天井に向ける。意識を喉にむける。このとき背中や腰を反らそうとしない。
このまま穏やかに楽な呼吸でこの姿勢をキープ。手のひらの下で肺が広がり鎖骨のところまで息が入る⇔出る、を手のひらで感じながら行います。4呼吸で続けたら、ゆっくり戻し、
④両手を膝(ひざ)に伸ばして呼吸を整えます。戻すときに首を重く感じたら、フェイスタオルを1本首にかけて行うといい、あら不思議、楽に喉が開き、楽に戻せます。
がんサバイバーやそのご家族でヨガのご体験がありましたら、ぜひ体験記などをお寄せください。kokokara@center.email.ne.jp
●こころとからだクリニカセンター
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