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マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第27回 これまで経験したことのない日常 <魚のポーズ>

森川那智子 こころとからだクリニカセンター所長
発行:2020年8月
更新:2020年8月

  

もりかわ なちこ こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。『なんにもしたくない!』(すばる舎)『リラックスヨガ』(成美堂出版)『心がラクがずっと続くヒント』(青春出版社)など著書多数

ちょっとしたレストランで、中年女子が何人かで会食しているのと行き合わせました。弾けているのは若者だけじゃない。夜の街だけじゃない。

「お久しぶり!」「ビール、うまっ」「おしゃべり楽しいっ‼」と、それはたいした弾けっぷり。自粛生活を頑張ってきて、いずれ第2波が来るだろうけれど、束の間の休息を楽しみたいと、そんな思いが傍にいてもひしひし伝わってきます。

しかし、喉元過ぎれば熱さ忘れる、といった感慨は確かにあったけれども、本当に瞬間的でしたね。

毎日発表される感染者数が何日か200人を超えたあたりから、やはりというべきか、「このまま緩和していいのか?」、「専門家の意見は?」、「経済活動とのバランスは?」と、いかにもな展開で、不安を煽るTV番組の多いこと。

私共のスタジオは高田馬場にあるのですが、「新宿と池袋の中間にあるのよね、大丈夫?」と他県の友人。もちろん冗談半分なのだけど、これが肥大化すると風評被害になるのでしょうか……。

100年前のパンデミック

平日、家にいてTVのワイドショーを流していると、だんだん気持ちが落ち着かなくなってきます。これからどうなっていくのかまるで先が読めないなかで、確かなことは「これまで経験したことのない日常」を今、私たちが過ごしているということでしょう。

今から100年前、海上では最速の交通手段が蒸気船だった時代、大陸をまたぐ航路もなく、人の移動も現在と比べたら格段に限られていたのに、すごい勢いでパンデミックが発生していました。

1918年春にアメリカで発生したスペイン風邪(新型インフルエンザH1N1型)は、わずか数カ月で地球を一巡。1920年に自然鎮静化するまで世界人口の3割、おおよそ5億人を感染させ、3,000~5,000万人以上が死亡したと推計されています。

日本でも津々浦々まで感染は広がって、国民の3分の1が罹患し、25~45万人が亡くなったということです。

歌人の与謝野晶子は当時11人の子供たちを育てていましたが、1人が学校で感染したことから、晶子を除いて、夫の鉄幹も含め家族全員が感染したということです(ちなみに鉄幹・晶子はそののちも子宝に恵まれ、13人の子どもを産み育てました。凄い!)。

彼女はスペイン風邪大流行について、2回新聞(横浜貿易新報)に書いています。その2回目の中からそのまま引用します。

「今、この生命の不安な流行病の時節に、何よりも人事を尽して天命を待とうと思います。『人事を尽す』ことが人生の目的でなければなりません。例えば、流行感冒に対するあらゆる予防と抵抗とを尽さないで、むざむざと病毒に感染して死の手に攫取(かくしゅ)されるような事は、魯鈍(ろどん)とも、怠惰とも、卑怯とも、云いようのない遺憾な事だと思います」

東京と横浜だけでも毎日400人の死者が出ていた時期です。政府は企業活動や社会活動を禁ずることもなく、相撲も歌舞伎も普段通り興行を続けていたようです。

1912年生まれの母は、そのころ小学校1年か2年、「はやり病って怖いものだなと思ったわ。いつの間にか兄弟姉妹が1人、いなくなっていたもの」。あれはスペイン風邪のことを言っていたのかと、今になって思い当たります。それと比べたら、今の日本にはまだまだ余裕があります。このパンデミックが始まったばかりだからかもしれませんが。

夏はみんなのものだったはずが

今夏、全国的に学校のプールは開かれてないようですね。大好きな西原理恵子先生の漫画にこんなのがありました。ページの冒頭に学校のプールの絵が出てきます。もちろん屋外プールで、小学生の男の子がすーっと水を切って泳いでいます。太陽の光を浴び、プールの水はキラキラ輝き、「夏は 君たちのものだ」というキャプションがついていたと思う。記憶だけを頼りに書いているので違っているかもしれませんが、夏が来たというわくわくした気持ち、冷たい水の気持ちよさ、水に乗り、水を切って全身がすーっと前に伸びる瞬間の感触がよみがえるような1コマです。

偶然ですが、今月は「魚のポーズ」です。このポーズ、腕を緩やかに上方に伸ばすと、水にふわっと浮きます。脚を蓮華座(れんげざ)に組むと、真水の場合は鼻のあたりまで水面から出ます。海水では顔全体が浮きます。

免疫力を高めるシリーズの4回目、先月紹介した<鋤(すき)のポーズ>とセットで行うのが効果的です。<鋤のポーズ>では首肩背中を柔軟に伸ばして、首から下を逆転させ、全身の血行を促すポーズでした。それを補完する効果があるのが<魚のポーズ>です。

最近、巻き肩(あるいは前肩)と言って、肩が内側に巻いている、上から見ると鎖骨周辺で肩先が前方に向いている人が目立ってきています。長時間、パソコンを使って仕事をし、気分転換にはスマホを使ってゲームといったライフスタイルは巻き肩の原因を作っていると言えます。猫背や胸の筋肉の緊張を伴い、頭部が前に出てしまったりもします。

<魚のポーズ>は胸や肩を開き、免疫力のカギを握っている喉に意識集中するポーズです。モデルは前回同様、清水由紀子さんにお願いしました。

<魚のポーズ>

①両足は腰幅にして、仰向けになる

②両腕は体側に沿って伸ばし、前腕を尻の下に、手のひらを下に向けて伸ばす。

このとき、手のひらのつく位置に注意します。なるべく下(足の方向)のほうにつき、肩を下げ、首を肩から引き伸ばすようにする

③息を吐きながらお腹をドローイング。ここからはお腹は緩めないようにする

④息を吸いながら、肘(ひじ)で床を押して胸を持ち上げ、さらに顎(あご)を上げて首をぐるりと反転させて、頭頂を床につけるようにする。目は30~40㎝先の床を見つめる(目は上目になっている)。

そのままこの姿勢でできる胸を意識した呼吸をする。吸うときに胸をいくらか持ち上げるように、鎖骨のところまで息が入り、さらに喉を意識する。喉に肺があるわけではないが、吸う息のエネルギー(プラーナ)が喉に届くとイメージする。息を吐くときはお腹を凹ませるようにして。4~8呼吸保持

注)背中や首が固いと、胸や首を十分に反らすことができなくて、頭頂部ではなく後頭部が床についてしまう。すると首に負担がかかるので、やや短めで止めておくとよい

⑤息を吐きながら肘を使ってゆっくり首を伸ばし、肩や背中全体をおろし、完全なくつろぎのポーズで休む。体を緩ませる過程で、項(うなじ)を伸ばしたり、首・肩・腰などをゆらゆらとか、くねくねと揺さぶってみると、体が自然に調整され整えられ、気持ちがいい。そして、そのままゆったりとくつろぐ。喉や胸のあたりがほのぼのと温かくなってきたら上出来です。<鋤⇒魚>をセットにして2セット

 

がんサバイバーやそのご家族でヨガのご体験がありましたら、ぜひ体験記などをお寄せください。kokokara@center.email.ne.jp

こころとからだクリニカセンター
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携帯 www.kokokara.co.jp/m/

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