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マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第31回 自分のイライラに気づいている? <片脚・ワニのポーズ>

森川那智子 こころとからだクリニカセンター所長
発行:2020年12月
更新:2020年12月

  

もりかわ なちこ こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。『なんにもしたくない!』(すばる舎)『リラックスヨガ』(成美堂出版)『心がラクがずっと続くヒント』(青春出版社)など著書多数

ふだん何気なく使っている「仕事」という言葉、よくみると「仕えること」と書いてある。

ふ~む、「仕える」ですか。

仕えるというと、「殿に仕える」とか「主人に仕える」とか、古い時代の言葉のように思えるけれど(メイド喫茶では使っているのかも)、「誰かのニードに応えて報酬を得ること」と、とらえることができます。

仕事をするということは、誰かの役に立って、報酬を受け取ること。報酬の多寡にはいろいろあっても、日々の営みの基本にあるのは間違いありません。

定年退職後も、何らかの仕事を続けたいという人が半数を超えますし、がん患者さんも仕事とがん治療を両立させていくことが推奨されています。

withコロナの時代でも、どうしたら仕事を回していけるかに人々は知恵を絞っています。

人が生きるのに必要な仕事?

Kさんは某団体の幹部職員で、新型コロナ感染防止のためイベントが次々に休止になり、予定していた仕事がキャンセルになってしまいました。最初は何もしなくても給料は入ってくるし、もともと出不精なほうだったので、月に2~3回リモート会議に出席するほかはステイホームの生活。それも悪くないと思ったといいます。

ところがそんな生活が3~4カ月続き、また1カ月、また1カ月と再開できない日々が続いたとき、

「なんだか考えてしまいました、私の仕事は人が生きるのに必要不可欠じゃないって。お前なんか、要らないと言われているような気がしてきて……」

順風満帆に活躍しているかに見える芸能人が自殺したニュースが続いたころでした。

頭では、「今は、自宅待機が仕事なのだから」と、何度もなんども自分に言い聞かせたそうです。

Kさんは才能豊かで、キャリアも申し分なく、考え方も柔軟な人です。そんな人でも、直に人と接したり、シェアすることが激減すれば、自分が必要とされている実感がぼやけてきて、これでいいとは思えなくなることに気づかされしました。

10月の全国の自殺者数は前年同期比39.9%増というニュースを今知りました。これで4カ月続けて自殺者増が続いているそうです。

私たちは誰かに必要とされると感じる必要があるのです。仕事が必要とはそういうことだと思います。

イライラしたときは目を閉じて、ゆっくり息を吐こう

パンデミック以降、平癒を祈って控室白板に、毎週、臨床心理士の方が時事や季節ネタであまびえのイラストを描いてくれます。その中の最近の1枚

コロナ禍ではリモートワークが求められましたが、今、急激な揺り戻しがあるそうです。

7月下旬に政府は民間企業にリモート率(在宅勤務と合わせて)70%を要請しましたが、今から思うとかなり高い数値目標だったのでしょう。それぞれの現場で無理があったかもしれません。9月、10月と普通に出勤する人の数がかなり戻っています。電車も混んできたし、街には人が出ています。

実際に体を動かして、外を歩いて、電車に乗って、仕事に出かける。仕事をしながら、今している作業と直には関係ない同僚や上司のちょっとした会話や表情から、たくさんの情報を得ていたことを知る。仕事帰りにカフェをのぞく。リモートではかなわなかった日常を、特別感を持って味わったことが生きいきと語られています。

一方で、苛立ちも蔓延しています。

新しい生活様式で気を使うべきこと、注意すべきこと、やるべきことが増えて、それらを怠りなくやっているのに、「気のゆるみ」をうんぬんされて、イライラするというのです。

その怒りを誰かに向けたくなる。というか気がついたら誰かに向かっている。そんな年末になりそうです。

自分の疲れや苛立ちに気づくことが大切です。

1分でいい。目を閉じて、ゆっくり息を吐く。まず息を吐く。後半は少しお腹をへこませるとまだ息が出る。十分息を吐けば、自然と吸う息は深くなる。

深い呼吸をすると、大切な人、周囲の人の疲れや苛立ちに気づかされます。

さて今月は<片脚・ワニのポーズ>を紹介します。寝た姿勢で行います。

これまで紹介してきた体幹をツイストする系のポーズの1つですが、無理なく腹筋を鍛える効果もあります。肛門を軽く閉じて、お腹を軽く引き締めながら行うのがコツです。

<片脚・ワニのポーズ>

①仰向けになり、両脚は揃える。両脚を揃えて伸ばすと、腰背部は心持ちマットから浮き、反っている。このとき腰に違和感というか嫌な感じを感じたら、膝を立てる。以前腰痛に悩まされたという人も同様に

②両腕は真横に伸ばす。自分では真横と思っていても、肩の位置より高めに腕を伸ばしていることが多いので、左右の手を見て確認する。手のひらを下に向け、背中、肩甲骨をゆったり床につける。顔はまっすぐ天井を見ている

③まず右脚を床に伸ばす。肛門を軽く閉じ、お腹を軽く引き締め、息を吸いながら左脚を上方に伸ばす。膝は曲がってもいいので、大腿部が床に垂直になるくらい高く上げる

④息を吐きながら、左脚をゆっくり右手側に倒していく。45度、60度くらいまで倒し、これ以上倒すと左肩や肩甲骨が、床から浮きそうになるまで倒す。脚は床にはつけない。顔はまっすぐ天井を見ている。そのまま楽な自分の呼吸で4~8回保持

⑤左脚を元にゆっくり戻し、両膝を立てて呼吸を整え、今度は左右を反対にして行う

 

がんサバイバーやそのご家族でヨガのご体験がありましたら、ぜひ体験記などをお寄せください。kokokara@center.email.ne.jp

こころとからだクリニカセンター
PC www.kokokara.co.jp/
携帯 www.kokokara.co.jp/m/

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