マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第39回 繰り返す緊急事態宣言にも免疫力をキープしたい <壁を使う中腰のポーズ>
急に暑くなりました。不要不急と言われなくても、こう暑くてはうちで涼んでいたい。
それでも出かけるのは「急を要する」ことがあるからです、その人なりの。
それにしても4回目の緊急事態宣言、こたえます。夜のニュース番組で、マイクを差し出された接待をともなう飲食関係の女性がひと言、「バカヤロー」。
TVニュースによくある街の声を拾ってみました的なものだけど、Twitterだったら「いいね」が瞬く間に積み上がったことでしょう。TVのニュース番組で、ふつうだったらボツになりそうなコメントが、オンエアされたこと自体が「いいね」の代わりかもしれません。
しかも8月22日までと長い。確か3回目の非常事態宣言では、次第にその有効性が疑問視されて、まん延防止措置に移行されたはず。今回、もし人の流れ(人流という言葉は使いたくない)が抑制されたなら、それは緊急事態宣言より猛暑酷暑のおかげでしょう。
観客の熱気も競技の一部
ところで、テニスのウィンブルトン選手権が、2年ぶりに6月21日からロンドンのウィンブルトンで開催されました。当初は25%の観客制限が50%に緩和、さらに準々決勝から制限がなくなりました。
入場には2回ワクチンを受けたとする証明書か、2回以上の簡易検査の陰性証明書か、6カ月以内に新型コロナに感染し治ったという証明書が必要だそうです。
大昔、テニスに熱中していた私も、今は観るだけのテニスファンです。衛星放送で女子の決勝を観ました。ほぼ満席。しかもマスクをした人は皆無に近い。
そして、すごく当たり前のことに気づきました。
TVで観ても、観客がいるのといないのとは大違いだということ。観客の歓声や拍手は競技の一部なのです。ロイヤルボックスにはウィリアム王子とキャサリン妃がいたり、トム・クルーズ(ロイヤルボックスではない席)の姿も映し出されたり。
イギリスではワクチン接種率が50%を超えた段階で、大人数の催し物が新型コロナの感染者、重症者、死亡者などにどれほど影響を及ぼすかの実験として実施され、結果、すべての規制が解除されたのです。
なんとウィンブルトン男子決勝戦と同日に、ユーロ2020サッカー決勝戦が行われ、イングランドとイタリアの試合に6万人以上が詰めかけたということです。これらの決定は政治判断でなされました。
日本の感染者数はイギリスとくらべて一桁少なく、重症者も死亡者も非常に少ないのに、政治判断で東京五輪は無観客と決まりました。せめて、段階的にとか競技の人気度によってとか、幅を持たせることはできなかったのでしょうか。だったら何のために大急ぎでワクチン接種を推進してきたのでしょう。
オリンピックで大勢の観光客が来日することを見込んで、実に多種多様な業種の人々が時間もお金も労力知力も投じてきたわけで、しかも1年延期してもやると決めたのだから、やれることを柔軟にやれたほうがいい。
もともと入場チケットの申し込み自体してないし、オリンピック一色になるマスコミの異様な盛り上がりにもなじめません。無観客であろうとなかろうと関係ないといえば関係ないのですが、無観客のスポーツ観戦なんて、つまらなくないですか。
観客の存在がコンサートや演劇の一部であるように、競技会も観客の存在があってこそ、TV観戦者も楽しめるのだと痛感します。もちろん無観客でも、やらないよりやったほうがいい。各地の祭りもフェスもやったほうがいいけど、無観客ではやれませんね。
熱中症対策にも筋力強化が必須
暑いからといって、本気に自粛していたら、身体も心も弱ります。
熱中症対策として、こまめな水分補給とはよく言われていますが、適宜適切な運動もとても重要です。
近所をウォーキングする、階段の上り下り、ラジオ体操。そのどれかを1回10分くらいの運動を、1日おきくらいに行うくらいだったらできそうじゃありませんか。
前月号で、自粛中ヨガのポーズを1つ選ぶとすれば、ということで「中腰のポーズ」を紹介しました。その番外編として、壁を使う行い方を簡単に紹介したところ、もっと詳しくという声をいただきました。
「骨盤の前傾とは?」「骨盤を立てるとは?」、そのときの腰椎骨、骨盤、腹筋の使い方・使われ方がわかってもらえるように、今回はしっかりていねいに説明します。
<壁を使う中腰のポーズ>
①壁を使うのはスタート時だけです。足は腰幅に開き、壁から30~40㎝離れて、壁を背にして立ちます。両足のつま先は正面に向け、壁に腰をつけます。このときあまり深く腰を落とさないように。例えば、大腿部が床と平行になるのは落としすぎ。きつくて1度でやる気が失せるから、30~45度前後が目安です。
②膝が足のつま先より前に出ないことがこのポーズのポイントです。下腿部(膝から足首まで)は床に垂直になるくらいにすると、膝の位置は完璧
③次いで背中をつける。このとき、腰部(ウエスト)と壁の間に手のひら1枚分以上の隙間を作らないようにします。そのためには腹筋を使って骨盤を立てる(肛門を床に向ける)必要があります。手のひら1枚分くらいのカーブが、腰部の自然なS字曲線です。
このときの復筋の使い方と骨盤の傾斜についての関係を覚えましょう。また頸部は軽く前湾しているので、頭部は壁から手のひら1枚くらい離れています。両腕を前方にふわりと伸ばします
④今度は、脊柱をまっすぐ伸ばしたまま、鼠径部から前傾します。頭、肩、背中、腰が壁から離れます。お尻だけが壁についていますが、前傾を深めて、お尻を壁から離します
⑤重心は踵(かかと)にあります。前傾してバランスを取っていますが、その前傾していた脊柱を少しずつ立てていきます。前傾した脊柱を一挙に立てようとすると、膝が前に行きがちです。つま先より前に出ないようにします。また腰部を反りすぎてしまう人もいます。自然なS字曲線を保つように。重心は踵のほうにあり、だから腕を前に伸ばしてバランスを取っています。
このまま普通に呼吸しながら、数をゆっくり30までカウントします。身体のどの部分がきついと感じてくるのか、よく観察しながら行います。2セット
がんサバイバーやそのご家族でヨガのご体験がありましたら、ぜひ体験記などをお寄せください。kokokara@center.email.ne.jp
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