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マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第44回 バスの乗客たった1人 <星のポーズ>

森川那智子 こころとからだクリニカセンター所長
発行:2022年1月
更新:2022年1月

  

もりかわ なちこ こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。『なんにもしたくない!』(すばる舎)『リラックスヨガ』(成美堂出版)『心がラクがずっと続くヒント』(青春出版社)など著書多数

おととし2020年4月、新宿西口からバスに乗ったときのことです。

乗客は私1人、まさか。出発の時刻まで5,6分はあったけれど、誰も乗ってきません。思わずスマホで写真を撮りました。第1回目の緊急事態宣言が発出された当時、みんな勝手がわからず、とても警戒していました。「不要不急」という言葉がよく使われていましたね。

この冬、欧州をはじめ隣国の韓国でも新型コロナ感染者が増えているそうですが、日本では専門家も首をひねる謎の感染者激減を経て、東京では感染者30名以下という日が28日続いています。28県が感染者数ゼロです(2021/12/08現在)。

うっかりすると「新型コロナのこと忘れてたのか」というくらい電車も混んでいるし、繁華街の道路に人が出ています。

「必ず第6波が来る」といわれながら、感染者数が低水準にとどまっていることで、警戒心がようやく和らいできていたのに、ここにきて急に〝オミクロン株〟の話題が沸騰。

まだ確かなことは何もわからないとしながら、オミクロン株陽性と判明した来日外国人や帰国者は、例外なくワクチン2回接種済だそう。だったら何のためのワクチンかというと、それで重症化は防げるといわれています。

そして前倒しの3回目の接種が推奨されています。未接種者で、オミクロン株で重症化したケースがどのくらいあるのかも不明。もしかすると感染力は高いが弱毒化しているという、ウィルス進化の原則にのっとった変異株なのかもしれません。

数年後の(あるいはもっとかかるかもしれない)検証が待たれることが、実に数多くありそうです。

受診控えが続く

ところで、2020年のがん検診は前年と比べると30%も減少したという報告されています(日本対がん協会)。

実際、2020年4月の第1回目の緊急事態宣言下では、個人の自粛行動のほか、自治体や職場の「がん検診」は一時中断・延期、胃・大腸などの内視鏡検査も中止されています。2020年の日本では、少なく見積もっても1万人以上のがんが未発見となっていることが懸念されています。

当然のことながら、当たり前ですが、がんは今まで通り発生しています。

経過観察が必須のがんサバイバーたちも、コロナ感染を恐れて定期検診を先延ばしてしまったという人が少なくなかったようです。

もっとも定期検診をきちんと受けていても、がんが見逃されることは少なくありません。

「検診を受けていればがんは必ず見つかると思っている人がたくさんいるが、検診の対象となっていないがんは、絶対発見できない」(静岡がんセンター山口建総長)そうなのです。

がん検診を受けているから大丈夫と過信するのも危険、だからといって検診を先延ばしにするのはもっと危険。何より自分の身体が発しているウォーニング・サインに誠実に向き合うことが大切です。

もともとがんは「がん検診」で見つかるよりも、ふつうの診療で見つかっていることのほうがずっと多いと聞きます。そういう意味では、気になる体調の変化やちょっとした自覚症状を、気楽に話せる〝かかりつけ医〟がいるといいのですが、コロナ禍では何しろ不要不急な訴えはしてはいけないような風潮もありました。

後になって、もっと早く行っておけばよかった、あれは不要でも不急でもなかったと悔やまれることもあるでしょう。

2020年11月、カナダのクイーンズ大学がん研究所より公表された「がん治療の遅れと死亡率」との関連を調べたデータによると、4週間治療が遅れた場合、死亡リスクがおよそ6~13%上昇することが示されたそうです。

コロナ禍2年目、がんサバイバーたちは前向きに、自分の体調により誠実に向き合っています。

乳がん手術から10年を経て、がんの転移が判明したときは、「それはショックでした」と通称シノリエさん。

「なぜ自分が」という答えのない自問自答が止まらない時期もありました。けれども、「たまたま自分だった。だから自分を責めたりせずに、今からの自分を大切にして、自分らしく生き抜いていこうと自分も含めて皆さんに伝えたい」と語ります(再発しても自分を責めずに、今からの自分を大切に 乳がん手術から10年。肺に転移)。

抗がん薬治療をしながら、「がんサバイバーのためのヨガ」クラスを11月から再開できました。今回は、シノリエさんにインストラクションをお願いしました。

<星のポーズ>

寒い季節は首をすくめ肩をすぼめ、全身をこわばらせ縮こませがちになります。ヨガを行うときは寒くないように室温を温めるか、日当たりのよいところで行いましょう。薄手で動きやすく保温性の高いウェアを着用してもいいですね。

身体を思い切って大きく動かし、温め、免疫力を高めるポーズを、シノリエさんに紹介してもらいました。

①両足を腰幅に開いて立ちます。つま先は正面。両腕は身体の脇にすとんと落とします
②まず息を吐いて、ゆったり吸いながら、両腕を大きく横から上に回して、バンザイの位置まで上げます。両手の指と指の間隔を広げて、指先で空気を押し上げるようなつもりで
③ゆっくり右足に重心をかけていきます。左足が床から浮きます。足の指も大きく開きます。そのまま4呼吸ほど自然呼吸で保ち、ゆっくり戻して左足が床にキャッチしたら、もう一度指先で空気を押すような感じの②に戻り、両腕をゆっくり大きく横に開きながら①に戻り、呼吸を整えます
④今度は反対に左足に重心をかけ、身体を左に傾けていきます。右足が床から浮くところまで行ったら、右足も指を拡げてバランスを取りながら3~4呼吸保ちます
⑤④に戻し、ゆっくり両腕を横から回し下して①に戻り、呼吸を整えます。2セット

 

がんサバイバーやそのご家族でヨガのご体験がありましたら、ぜひ体験記などをお寄せください。kokokara@center.email.ne.jp

こころとからだクリニカセンター
PC www.kokokara.co.jp/
携帯 www.kokokara.co.jp/m/

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