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マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第46回 身体の内側から温めたい <壁を使った背中立ちのポーズ>

森川那智子 こころとからだクリニカセンター所長
発行:2022年3月
更新:2022年3月

  

もりかわ なちこ こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。『なんにもしたくない!』(すばる舎)『リラックスヨガ』(成美堂出版)『心がラクがずっと続くヒント』(青春出版社)など著書多数

心にずしっと響く文学作品というのは年に1度か2度、出合えれば僥倖この上なしというもの。かつては活字大量消費者のわたしでしたが、年ごとに目の持久力が落ちて、そんなに量は読めなくなったので、なおさらそんな1冊が見つかると、嬉しい豊かな心持になります。

ウィリアム・ダルリンブル著『9つの人生』(バロミタ友美訳)はそんな1冊。副題に「現代インドの聖なるものを求めて」とあります。

わたしは40年以上、ヨガをクラスセッションやパーソナルセラピーにもとりいれて実習していますが、あくまでも「ウェルネスの考え方」でとらえており、ヒンドゥー教やインド文化に詳しいわけではありません。むしろインド哲学やヒンドゥー文化には距離を置いてきました。もちろん「踊るマハラジャ」や「絶対うまくいく」などインド・ボリウッド映画や音楽は大好きですが。

だからこのノンフィクションの前書きで、インドが急速な経済発展に伴い、ヒンドゥー教が標準化していることを取り上げ、「地方の小さな男神、女神への信仰が力を失い、愛されなくなってきて、地方の神々が国家規模の超男性的な神々、とくにクリシュナ神やラーマ神にとってかわられている現象」に言及しているのが印象的でした。クリシュナ神やラーマ神はインドでとても人気のある身近な神様で、ポスターやカレンダーやキーホルダーにも描かれています。

スコットランド生まれの著者は「しかし驚いたことに、どれほどの変化や発展が起こってもなお、古いインドは生き延びている」、それらをインド全土とパキスタンをめぐり、丹念に追って、9人の聖者たちの語る言葉に耳を傾け、ノンフィクション作品に仕立てました。

「全編にわたって、むせかえるような聖性」と評したのは、僧侶・宗教学者の釈徹宗氏です。

その最初の章「ジャイナ教の尼僧」の話を読んだところで、わたしは腰が抜けました。

興味のある人は本作を読んでいただくとして、ジャイナ教が生まれたのは釈尊が生まれ時代とほとんど重なっています。

苦行を禁じた仏教と対照的に、ジャイナ教は厳しい苦行が求められます。完全菜食はいうまでもありません。印象的なのは、行者たちは1カ所にとどまらないということでした。風雨で歩けないのでない限り、旅から旅へと風のごとく雲のごとく歩き続けます。

「仏陀は木の下ですわっているときに悟りを開いたと言いますが、私たちあるき間の偉大な開祖は歩いているときに悟りを得ました」と尼僧は語ります。

日本にも、そういえば雲水とか虚無僧とかが時代劇の中では生きていました。あくまで時代劇のなかですが。山田風太郎の『甲賀忍法帖』には、魅力的な雲水たちが登場してきます。

また、何物も所有しないということもジャイナ教の行者には徹底して求められます。1カ所にとどまらないのも、愛着心を生じさせないようにするためです。

尼僧は安全のため2人以上で歩くのだそうですが、20年来一緒に歩いた友人が消化器系の病気となり、いよいよ痛みも病状もひどくなってきたとき、その友人はジャイナ教の最終の行「サッレーカナー」を選びます。

少しずつ2年近く時間をかけて、食べる量を減らし、食べるものを1つずつ手放し、最後にこの生身の身体を手放すに至るという行です。

その過程に圧倒されました。

それは、個人として死に至る道を選択するのとは全く違いました。歴史的に文化的に宗教的に連綿とつながるコミュニティ全体に共有され、支えられた死のかたちでした。そういえば、かつては日本でも五穀を断ち、即身仏となった僧侶がいたのですよね。

コロナ禍では入院している人の多くが、家族や友人ともほとんど面会もできず、最後の最後になってようやく1回会えたというケースを耳にします。残された者の無念の思いは、どうやって癒されていくのでしょう。

わたしたちはいったい何をやっているのかと思います。

それでも日は進んでいきます。

日差しは日に日に暖かく春めいてきているのに、まだまだ寒い日が続きます。

3月は気温も天候も変化が激しい季節。それに別れと旅立ちの季節でもあり、環境の変化によるストレスもかかります。

ところで、お腹に触れると冷えを感じることはありませんか?

あまり意識してないけれど、不安と緊張やプレッシャーに身体が正直に反応しているのかもしれません。

こんなときは「壁を使った背中立ちにのポーズ」を薦めたい。

これまでも写真で紹介したことはありますが、動画は初めて。

見た目がちょっと難しそうなのですが、実際やってみると思いがけないほどラクにできます。

安全に体幹部を逆転させることができて、ストレスで圧がかかる内臓をやわらげ、下垂を正してくれます。

首肩に気持ちいい刺激が来ます。

問題は壁があるかという問題だけですが、浴室前のスペースを活用しているという話を聞いたことがあります。ヨガクラスでやってみて気持ち良かったから、ぜひうちでもやってみたいと。そういういう気持ちがあれば何とかスペースは見つけられるのですね。

ゆったりお腹を意識して呼吸しましょう。

<壁を使った背中立ちのポーズ>

 

 

①長座から両膝を立て、どちらかの体側を壁に寄せる
②ゆっくり体を半転させ、上半身は床に仰向けとなり、尻から下肢は壁に伸ばす。ちょうど壁に座って長座しているような姿勢となります
③踵(かかと)の位置はそのままで、踵で壁を押すようにして、ヒップを上げ、足裏全体を壁につける。ゆっくり自然呼吸で
④首肩をリラックスさせて。身体の重みが首肩に心地よく、体幹部が逆転されて、お腹もリラックスさせましょう。腰は一気に上げようとしないで、何度かやっているうちに加減がわかってきて、自然とリラックスできるようになります。10~20秒
⑤ゆっくり戻して両膝を抱えて呼吸を整えます

 

がんサバイバーやそのご家族でヨガのご体験がありましたら、ぜひ体験記などをお寄せください。kokokara@center.email.ne.jp

こころとからだクリニカセンター
PC www.kokokara.co.jp/
携帯 www.kokokara.co.jp/m/

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