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マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第50回 椰子の樹の大きな枝のように<ヤシの木のポーズ>

森川那智子 こころとからだクリニカセンター所長
発行:2022年7月
更新:2022年7月

  

もりかわ なちこ こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。『なんにもしたくない!』(すばる舎)『リラックスヨガ』(成美堂出版)『心がラクがずっと続くヒント』(青春出版社)など著書多数

誰もが聴いたことのある「名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ」で始まる唱歌「椰子の実」。島崎藤村の詞章は「故郷(ふるさと)の岸を離れて……」と続きます。

2番は、「もとの樹は生いや茂れる 枝はなほ影をやなせる」とあります。

藤村と親交のあった柳田國男が明治31年の夏、渥美半島の伊良湖岬に1カ月半ほど滞在していたときのこと。その海岸に椰子の実が流れ着くという話を藤村に語り、藤村がその話をもとに創作した詩歌だそうです。

最後は「思いやる八重の汐々 いづれの日にか国に帰らん」で締めくくられます。日本がはるか遠い南の島々と、海洋文化でつながっていることを感じさせてくれる歌です。

まずゆったりと立つ

さて今月は「ヤシの木のポーズ」を通して、体の使い方、目の使い方、イメージの使い方について話をします。

ゆったり立つことの基本を、「椰子の実」に歌われている、ゆったりとした情景を思い浮かべることからはじめたい。

窓の外を眺める。遠い情景を眺める目、ソフトアイで立つ。窓がなくても遠い目で、目線は目の高さか、やや下あたりを、柔らかく眺めます。

これだけで首や肩がほぐれてくるので、ただ「ゆったりと立つ」を行ってみるだけでも、ストレス緩和になります。

椅子に腰かけたままでも、遠くを眺めるような10秒間を積極的に取り入れると、目や、首や肩も楽になります。

下半身はしっかり、上半身はふわりと

次に足裏。地にしっかりと足をつけての立位の姿勢。

足は腰巾から肩巾に立つ。安定感がある足巾にします。

足先は正面に向けて。どちらかの足先が外向きになったり、内向きになったりしていたら、それが小さい角度ならそっと正面に向け直します。

外反母趾のように親指が30度くらい内に向いてしまっているなら、膝をぴんと伸ばさないで、緩めるようにして、膝と足首の真ん中の足先を正面に向けて立ちます。

どちらにしても、まず〝気づく〟が重要なので、「そうなんだ」と自分の体の癖を受けとめたい。そして足先を正面に向けると、膝や股関節がどんなふうに変化して感じられるか、内部の感覚にマインドフルになりましょう。

私はいろんな言い方で、姿勢への自覚を促します。

肛門を軽く閉じて、頭のてっぺんに目に見えない糸がついていて、上方につつーっと優しく引っ張られると想像すると、すーっと立てます。するとお腹が軽く締められます。

頭が、肩から離れて上方にふわっと持ち上がっている、とイメージするのもその1つです。首や肩がリラックスしてきます。

「ヤシの木のポーズ」は、3つのパーツからできています。
パート1:足は着地したまま、両腕、右腕、左腕、両腕とゆっくり前から上げ、横から下げます。
パート2:踵(かかと)をゆっくり上げて、3秒ほどとどまり、踵を下げていく。2回
パート3:パート1と2を合体させて、両腕、右腕、左腕、両腕と行います。
パート1だけでも十分です。椅子に腰かけた姿勢で行ってもOKです。

最近は乳がん手術直後から病院でのリハビリがはじまり、肩や腕の動きには支障はないというサバイバーが多数派です。

それでも腋の下のリンパ節郭清がきっかけで腕が上がらなくなっていたり、パソコンやスマホで近距離を見続けることが多いため、首や肩や腕の動きが著しく限定されていて、それらの可動域が激減している傾向があります。

四十肩、五十肩の予防やリハビリには「ヤシの木のポーズ」をていねいに繊細にやってほしい。

<ヤシの木のポーズ>

今回、動画は東優子インストラクターが音声も含めて行っています。最初は大把に、慣れてきたら繊細に自分の身体と対話しながら行ってみましょう。

①両足を腰~肩巾に開きます
②息を吐いて両手を体側に沿って伸ばします
③ゆっくり息を吸いながら右腕を前から上に向かって上げていきます。そして手のひら全体をじわーっと開きます(手のひらを反らすのではなくて)、ヤシの木の枝のイメージで
④ゆっくりゆっくりと右腕を下ろしてきます。息が足りなくなったら、途中で息を足して下ろしていきます。指先でその外にある空気を押すような感じ。下ろしてきたらふーっと息をととのえ、
⑤今度は同じ要領で左腕を行います
⑥次に両腕を同じ要領で行います
⑦息を吸いながら両足の踵を上げていき、3秒ほどとどまり、吐く息とともに踵を下げていきます
⑧腕の動きと踵との動きと合体させて、両腕を②③④の要領で動かします

 

がんサバイバーやそのご家族でヨガのご体験がありましたら、ぜひ体験記などをお寄せください。kokokara@center.email.ne.jp

こころとからだクリニカセンター
PC www.kokokara.co.jp/
携帯 www.kokokara.co.jp/m/

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