森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!
ゆるゆるセルフケア!(7) 天地のポーズ
森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/
初夏、裸足を楽しむ
南インドを訪れたときのことです。観光には、ビーチサンダルのような着脱が簡単な履き物が必携と、事前に言われていました。
履き物を脱いで裸足にならないと入れないエリアがたくさんあるからです。しょっちゅう脱いだり履いたりするので、ウォーキングシューズなどでは面倒でたまりません。
サリーや服や小物を売っている店でも、玄関のところでサンダルを脱いで店内に入ります。
そうした店の床はたいてい大理石で出来ていて、暑い外から入ると、足裏がひんやりとして気持ちいいのです。
とくにアシュラムと呼ばれるヒンズー寺院や関連施設では、屋内だけでなく敷地全域が裸足です。毎朝箒で掃き清められた庭も、建物と建物の間にある小道も、牛や孔雀のいる牧場もすべて裸足です。
土の上に危険なガラスや釘など落ちていませんが、当然細かな砂利が混じっていて、裸足で歩くと少し痛い。でも慣れればまったく大丈夫になるのだそうです。足裏の皮膚も厚く丈夫になるのでしょうが、ちょっとした歩き方のコツがある気がします。
舗装された道路でも、両脇はすこし土の部分が残っていて、そこを歩く地元の人々は、半数はビーチサンダル(インドぞうり)、残りは裸足です。
日本では、室内では真冬以外は裸足で過ごす人も多いかと思いますが、屋外を裸足で歩く人にはまずめったにお目にかかれません。わたし自身、外を裸足で歩いた記憶というのがありません。道というのは、何が落ちているかわからないし、何か気持ち悪いものをうっかり踏んでしまうかもしれない、裸足で歩くのは怖い汚い危険だというイメージがありました。
わたしが訪れたラマナ・アシュラムは、聖なる山と呼ばれるアルナチュラ山のふもとに建立されていて、多くの人々が朝な夕なに山を参拝します。霊場まで往復1時間半くらい。なだらかな石山です。石山といっても、土もあり樹木や草も生えていますが、山道はすべすべした大きな石でととのえられています。
その上を裸足で歩く感触が、なんとも言えず気持ちいい。たった1週間でも、足の甲の筋肉が厚くなってきたのが実感されます。
滞在中、所用のため街中を2?3時間、ウォーキングシューズで歩いてびっくり。ずかずかのしのしどんどん、何のためらいもなくどこまでも歩けてしまいます。その快適さ。安心感。さらに言えば、ちょっぴりですが、征服感。
靴をはいているのと裸足でいるのとでは、すごく違うのです。裸足で歩くと、歩いているその地にたいして、自然と謙虚になる。注意深く謙虚にならざるをえません。
かの地に20年以上住む友人が、「日本に帰ったら、裸足で歩くことが懐かしくなるわよ」と言ったけれど、本当でした。
初夏、暖かくさわやかな季節になったら、公園にでも行って裸足で歩いてみようかな。
さて今回紹介する∧天地のポーズ∨は、天と地に挨拶するポーズです。天地の恵みを感じ、受け取り、感謝の気持ちを表すポーズです。
さわやかな季節になったら、思い切って屋外で、芝生の上や、土や石の上で行なって下さい。気持ちいいですよ。
天地のポーズ
①両足をそろえて立ち、胸の前で合掌します。踏みしめている大地を足の裏で感じてみます。頭や肩には太陽のエネルギーが降り注います。室内でも、大地と太陽のエネルギーをイメージして行ないます。10呼吸。
②目をしっかり開き、まず息を吐き、お腹を軽く引き締めます。ゆっくり息を吸いながら、両手を胸の前から上方に伸ばし、さらに伸ばして両手のひらを太陽にかざし、5カウントするくらい保つ。
③息を吐きながら、体を二つ折りに前に倒し、膝が曲がってもいいから、両手のひらを足の脇の地につけ、大地へ挨拶です。自然呼吸で10カウント保持。
④息をゆっくり吸いながら②の姿勢になり吐きながら①に戻す。
呼吸を整えて、もう1セット。
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