1. ホーム > 
  2. 暮らし > 
  3. 運動 > 
  4. ヨガ
 

森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(12) カラスのポーズ

イラスト●矢田勝美
発行:2008年10月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

「少し苦痛」に挑戦

①  両足をそろえ胸の前で合掌し、息を吸う

今回は痛みについて、これまでの常識とは違う「新しい体験の仕方」を、ゆるるんと紹介していきます。

ところでこの連載をきっかけに、ヨガに関心をもった人にアドバイスしたいのは、「やるからにはちゃんと」とか「きちんと」とか思っているとなかなかはじめられないよ、ということ。

やってみて「ちょっと気持ちいいかも……」というポーズがあったら、それをときどきやってみよう。もちろん毎日やってもいいし、ウィークエンドだけやってもいいし、気が向いたときにあっさりやって、もっとからだを動かしたくなったら、今までやったことのあるストレッチ体操を加えてもいい。ヨガの本を買ってきて参考にしてもいい。

ポイントはゆったりとていねいに意識的に動作して、ぐぐーっとストレッチしたところで、息止しないでふつうに呼吸しながらしばらくキープする。キープしながら、「ああ、ここが伸ばされているなあ」「ちょっと痛いような、でも3対7で気持ちいい感じ」を味わう。

② ゆっくり吐きながら上体を前にたおして両手を足の両脇の床につける

それからゆっくりていねいにもどして、小休止。こういう行い方でやれば、ストレッチも柔軟体操もヨガのポーズです。

ヨガポーズというのは、その人のそのときにできる範囲で、からだを一定方向に曲げる、あるいは伸ばす、そうすることで引き起こされるからだの内部の感覚に注意集中すること。味わうと言い換えてもいい。ゆっくり10カウントするくらいの時間、その感覚にとどまって味わいます。

ところが、こころはとっても飽きっぽい。注意集中しているはずが、ふっと別のことを考えていたりします。だから、普通は10カウントくらいが限度。まして不快な刺激なら、すぐにいやになります。つまり「少し痛いような、でも70?80パーセントは気持ちいい刺激」を用いて、10カウントくらいの間、注意集中するコツを体得していきます。

③ 息をついでから、両膝を閉じたまま深く曲げ、腰を下ろしつつ、上体を起こす。かかとは床につけたまま

ポーズをいくつか試してみると、「なんだかおっくう」「なんか嫌」と感じるポーズに出合いますが、そういうポーズは、日常生活の中で慣れていないからだの使い方が求められているのです。はっきりいって、ちょっときつい。もしかするとかなりきつい。

どうきついのか、からだのどのあたりの筋肉がぶるぶるっと震えてくるのか、きついなら、そのちょっときつい感じをしっかり味わうというのが今回のテーマです。注意集中のコツがつかめてきたら、痛みにもそれが応用できるようになります(もちろん痛すぎたら無理)。

ふつうに呼吸しながら、しばらく痛いつらいにとどまる。「10カウント、キープする」といっても、そのカウントのしかたは自然と少し早くなり、キープ時間は短めになることでしょう。それでいいんです。

④ ③がきつい場合、両手を床から離し、前方に伸ばす。そのまま自然呼吸で10カウンキープ。ゆっくり順序を逆にたどって①の姿勢にもどり小休止。2セット

痛いつらいをそれなりに味わう。その痛さつらさにちょっととどまってみる。そこから気持ちをそらさない。なるべく余分な力を抜いて。

わたしたちは身体的にも心理的にもさまざまなレベルの痛みを経験します。もし、痛みについて、必要以上に恐れずに、かといって無視せず軽んぜず紛らわすことなく痛みを扱うことができたら、それはたいしたことだと思いませんか?

もちろん、気がすすまないときは、やめておきましょう。

「カラスのポーズ」をとおして、痛みを「新しい体験の仕方」で味わってみましょう。

カラスのポーズ

① 両足をそろえ、胸の前で合掌し、息を吸う。

② ゆっくり吐きながら上体を前にたおしてきて、膝を少し曲げてもいいから、両手を足の両脇の床につける。

③ 息をついでから、両膝を閉じたまま深く曲げ、腰を下ろしつつ、上体を起こしてきます。このとき、かかとをあげたくなりますが、しっかり床につけたままにします。膝も足首も大腿部も筋肉に負荷がかかり、ぶるぶるふるえてきます。そけい部がつらい人もいます。

④ ③がとてもきつい場合、両手を床から離し、前方に伸ばす。そのまま自然呼吸で10カウント、キープ。

ゆっくり順序を逆にたどって①の姿勢にもどり小休止。2セット。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート10月 掲載記事更新!