森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!
ゆるゆるセルフケア!(14) 手指を反らすヨガ
森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/
若々しさの秘訣は「?いい加減」?
最近、職場で新しいタイプの体重計を購入しました。体脂肪率だけではなく、内臓脂肪、推定骨量、基礎代謝量などが表示され、それらの数値から体内年齢も算出されます。
「やってみたら実際の年齢より16歳も若く出ちゃった!」
前にも紹介したがん経験者の同僚が言います。乳がんの手術から10年、抗がん剤治療のほか女性ホルモンをプロテクトする期間もあって、どんな数字が出るのかちょっと心配もあったようです。
でも、この結果、当然なんです。
全国でチェーン展開しているスポーツクラブで、各種インストラクターの健康状態の調査が行われたのですが、ヨガインストラクターの骨密度が有意に高いという結果が出て、話題になったことがあります。
見た目だって、ヨガをやっている人たちは同年齢とくらべるとかなり若い。からだの線が優美に引き締まっている。
たしかにウエイトトレーニングやエアロビクスのインストラクターたちのほうが、一般にスリムで筋肉質で引き締まっているけれど、中年以降になるとヨガインストラクターたちは、肌の色艶もいいし、くすみやしわも少ないように思います。
その理由のひとつは、「いい加減さ」ではないかな。こんなことを書くと反論するヨガ愛好かもいらっしゃるかもしれませんが。
わたしはヨガをご指導するとき、「いい加減」ということをさまざまな言い方でお伝えするようにしています。
た とえば、「勢いや弾みをつけて動作しない」とか、「ゆっくりていねいに動き、決して無理はしない」とか、「痛いような気持ちいいような「イタ気持ちよさ」 を感じられるところまででやめておく」とか、「毎日やりたい人は毎日やってもいいけれど、思い出したときにやってもそれはそれでOK」とか。
で、 今回の「やさしい鋤のポーズ」です。初めてこのポーズを行ったときの驚きは今でも覚えています。体中の血液がシェイクされて、おなかも肩も頸もじわ?んと あたたかくなり、いつまででもやっていたいような。だからつい長めにやってしまうのですが、そうすると背中の側がストレッチされすぎて、直後背中がぞわぞ わして落ち着かない。背骨を反るポーズと組み合わせて、芯からリラックスします。
ですから「魚のポーズ」とセットで行うのがいいのです。
やさしい鋤のポーズ
① あおむけに寝て、両膝を立て、両腕はからだの両脇にそって、伸ばします。手のひらは下に向けて。
② 軽く息を吸って、出息しながら両膝を胸のほうに引き寄せます。
③ 入息しながら足を上方にのばします。
④ 出息しながら、腰を浮かし(ここは、両手で床を押し、その力を使う)、背中を立てて(両手で背中を支えてもいい)、両足は脚部の重みでだんだん床に近づけていくようにします。
自然呼吸で10カウント、キープ。
⑤ ゆっくり逆の順をたどって戻していき、完全なくつろぎのポーズになります。
頸や肩が柔軟な人は、なんてことなく、腰がふわっと浮き、背中がらくらくと立って、つま先が床につきます。
でも、なかなか腰が床から上がらないという人もいます。そうすると、えいっと反動を使いたくなります。反動を使うと、やっぱり危険なので、座布団を二つ折りにして背中に入れて③をキープ。慣れてきたら、両手を腰にあてがってあげてやると、コツがつかめてきます。
床につま先がつかなくても、膝が曲がっていてもOKです。胴体が逆さになり、頸や肩に重心がかかるようにします。
「やさしい鋤のポーズ」をするつもりが、本格的な「鋤のポーズ」になっているということもあります。つま先を床に引っ掛けるようにして、背中がおきてきます。ここまできたら必ず逆ポーズ(魚のポーズ)と組み合わせてください。
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