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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(22) T字のポーズ

イラスト●星奈レイ
発行:2009年8月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

自分にできることを生活に取り入れよう

古い友人から、数10年ぶりに電話をもらいました。長い間、年賀状のやり取りだけのお付き合いでしたから、何だろうと思っていたら実はがんになったというのです。それもかなりステージ(病期)が進んでいました。もしかすると月刊誌『がんサポート』をご覧になって連絡をいただいたのかと思ったのですが残念ながらそうではなく、補完療法を探しているうちに、わたしのことを思い出したそうです。

アメリカ癌協会の研究によれば、がん患者さんの61パーセントの人が、標準的な治療と並行して、祈りやリラクセーション法、瞑想法やマッサージなど補完療法を行っているのだそうです。

各種の補完療法や代替療法について、具体的にどの療法がどれくらいがんに有効であるのか、科学的な証明は十分ではありません。ただ、ストレスが続くと免疫システムを弱らせ、がん細胞と闘うナチュラルキラー細胞の数を減少させることはよく知られています。

がんとの闘いには多大なストレスがかかります。ですからストレスを緩和する何らかの手法を実践することが必要とされます。

それに自分の人生を生きようと思ったら、自分の病気を専門家による先端的専門的な治療に任せきりにするのではなく、自分でできることで、しかも自分が何がしかの実感できることを生活に取り入れたいと思うのは、すごく自然な欲求だと思います。

標準的医療を受けながら、同時に補完療法を利用することが今ではあたりまえになってきています。

がんと闘うのに必要なことは、考えてみれば普通に生きていればだれにとっても必要なことです。

ち なみに補完療法を利用しているがん患者さんは、男性より女性のほうがずっと多いのだそうです。一般に男性のほうが、有効性を科学的に証明されたものでない と生活に取り入れることに消極的です。女性は「なんだかよさそう」といった理由だけで行動することにずっと抵抗がありません。たとえば口紅を買うときなん かそうですものね。

気持ちがいい、楽しい、美味しい、すっきりする、気持ちが落ち着くという体験だけで、十分に治療的なのです。

こうした体感的なことをあんまり厳密に考えるとややこしくなります。ちょっと気持ちいいかも、なんとなくすっきりするかな、ちょっと気持ちが落ち着く、くらいでいいのです。

さて今回はT字のポーズです。はっきり言って難しいです。イラストのようにやろうとしたら、筋力も柔軟性も平衡感覚も必要です。

で も、完成ポーズのときT字にならなくても大丈夫です。手足が上がりきらず傘のような状態でもいいのです。立っているほうの脚はきっとブルブルとふるえるか もしれません。だからこそ、このポーズをゆっくり10数える間キープしようとするときっとすごく集中するはずです。今この瞬間に集中するという体験のあ と、「完全にくつろぎのポーズ」で休息します。からだを横たえることの「楽ちんさ」を、しみじみゆったり味わってください。

T字のポーズ

① 両足を揃えて背柱をすっと伸ばして立ち、胸の前で合掌します。

② 合掌した両手を吸う息とともに上方へ伸ばします。これ以降は自然呼吸で、視線は正面に向けます。

③ 左足を1歩前に踏み出し左足に重心をかけ、両手の指先から右つま先までラインを30度くらい傾斜させます。

④ 左膝を曲げ、重心を下げながら右足のつま先を後方へスーっと床上を移動させます。両手の指先から右つま先まで、ラインは60度くらいまで深めましょう。

⑤ 腰の中央を中心点に、体をゆっくり前に傾けT字をつくります。

このまま自然呼吸でゆっくり10カウントをキープしましょう。

順序を逆にたどり、①に戻したら呼吸を整え、足の左右を交代して同様に2セット行います。

最後は「完全なくつろぎのポーズ」(仰向けになり、床にゆったり体を投げ出した状態)で休息しましょう。

T字のポーズ① 足を揃えて立ち、胸の前で合掌。
② 右手で頭を支え、つま先まで体をまっすぐ伸ばす。
③ 左足を1歩前に踏み出し、左足に重心をかけ指先から右つま先まで体を30度くらい傾ける。
④ 腰を中心に体をゆっくり前に傾け、T字をつくる。このまま自然呼吸でゆっくり10カウント。順序を逆にたどり①に戻したら呼吸を整え、足の左右を交代して同様に2セット。「完全なくつろぎのポーズ」で休息。
⑤ 膝を曲げて重心を下げながら、右足のつま先を後ろに移動。さらに60度くらいまで傾ける。

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