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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(32) やさしいバッタのポーズ

イラスト●星奈レイ
発行:2010年6月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

これも何かの縁だから

やさしいバッタのポーズ① うつ伏せになり、アゴまたは額を床につける。両脚をそろえ、つま先までまっすぐ伸ばす。両腕は手のひらを上にして伸ばす。息を吐き肛門を閉じたら、お腹を軽く引き締める。

このところ、友人2人が立て続けにがんを患いました。2人とも性格的に決して受動的でも消極的でもないので、当然自分のがんについてしっかり勉強し、セカンドオピニオン(第2の意見)をとって検討し、熟慮したうえで治療を開始したと思っていました。実は、そうではありませんでした。最初に検査入院した病院で、主治医の診断と今後の治療方針を聞き、そのまま粛々と治療を開始したようです。

セカンドオピニオンを求めようという気持ちはなかったのかと聞いたところ「主治医にそれなりに信頼感が持てたし、これも何かの縁だと思って」というのです。

② 腹部を床につけたまま息を吸いながら、左脚をゆっくり上げる。このとき腹部は床から浮かないように。自然呼吸で10~20秒キープする。①に戻し、右脚も同様に行う。

これも何かの縁ですか……。

友人はこうも続けました。

「がんを患ったことは人生の一大事だけど、仕事だって結婚相手だってそんなにリサーチしたり、比較検討して確信をもって決めたわけじゃない。ま、縁があっ たということじゃないかな。その結果、もちろん順風なときばかりじゃなかったけれど、仕事や結婚相手が違っていたらもっと人生がうまくいっていたとも思え ない」

③ 両脚をそろえて行う。手のひらを上にして太ももの下に伸ばす。息を吐いて、肛門を閉じ、お腹を軽く引き締める。

そんなふうにいいます。

わたしがとても印象に残ったのは 「ネットで少し調べたけれど、新しい研究や治療法がありすぎて、このことに取り組むエネルギーを考えたら、膨大すぎてかえってストレスになると思った」という友人の言葉でした。

そうか。

④ 息を吸いながら両脚をそろえたまま、ゆっくりと上げる。そのまま自然呼吸で10~20秒キープ。③に戻し、仰向けになって「完全なくつろぎのポーズ」で休む。これを2セット。

「ねえ、今度、どこか温泉にでも行かない? 予算はこれくらいでいい? いい宿を見つけるわよ。そういうことで情報集めたり、迷ったりするほうが、免疫力がつきそう」ですって。

なるほど。「これも何かの縁」というのは、諦観というよりも、彼女たちなりの「前向き」な言葉なのかもと思いました。

さて今回紹介するのは「やさしいバッタのポーズ」です。

バッタはすごくエネルギッシュな生き物です。空が曇るくらいのバッタの大群をニュース映像でみたことがありませんか。

バッタといっても日本のイナゴとは全然違って、砂漠や草地に生息するバッタです。バッタは幼虫のときに生息密度が高まると、次の世代か次の次の世代かで変異して飛翔するのに適した体の成虫になるのだそうです。

草むらに生息する普通のバッタと大群となって襲来するバッタとは色も形も違うので、以前は違う種類のバッタと思われていたそうです。しかし実は同じ種類のバッタが、幼虫時代の環境によって、数世代で変異するのだとわかったのは20世紀になってからです。

そして500億~1000億匹というような途方もない大群となって飛行し、ときには海を渡り、大陸をまたぎ農作物に甚大な被害をもたらします。

「バッタのポーズ」をするとき、生き物の爆発力に思いをはせることがあります。生命あるものは、どの種も爆発力を持っているといっていいかもしれません。

やさしいバッタのポーズ

エネルギーにあふれたポーズです。運動不足や加齢による腹圧低下を予防し、下背部を温め、腎臓や心臓の働きを整える効果があります。

①うつ伏せになり、アゴまたは額を床につけます。両脚をぴったりそろえ、足のつま先までまっすぐ伸ばしましょう。両腕は手のひらを上にして、体側にそって伸ばします。

まずは息を吐いて肛門を閉じ、お腹を軽く引き締めましょう。

②息を吸いながら、腹部をしっかり床につけたまま左足をゆっくり上げます。このとき胸や肩や骨盤は床から浮かないように注意しましょう。自然呼吸で10~20秒キープします。①に戻し、右脚も同様に行いましょう。

③今度は両脚をそろえて行います。手の甲を床に向けて太ももの下に伸ばしたら、息を吐き肛門を閉じてお腹を軽く引き締めましょう。

④息を吸いながら両脚をそろえたまま、膝を曲げないで伸ばした状態でゆっくりと上げます。そのまま自然呼吸で10~20秒キープします。③に戻し、仰向けになって 完全なくつろぎのポーズで休みましょう。これを2セット行います。

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