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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(33)牛面のポーズ

イラスト●星奈レイ
発行:2010年7月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

何もしないことの効用

牛面のポーズ① まず両脚を伸ばして座り、脚を正面でクロスさせ、両手で左右の足を軽く押さえる。尻をしっかり床につけ、脊柱をまっすぐ伸ばす。楽な呼吸で10~30秒キープ。

学生時代にバイト先で知り合ったT子さん。主に海外で生活しているのですが、かなりユニークな人で、何年かに1度来日したおりに会っておしゃべりします。

何がきっかけだったか、フェイシャルについて「どんな手入れをしているか」が話題になったことがあります。

「何にもしない。それが私のポリシーなの」と彼女。

「何もしないって、どの程度何もしないわけ?」と私。

「いじらない。よけいなことはしない」

② 左手を背中に回し(手の甲側が背中についている)、肩甲骨の間まで這わせていく。右手は上方に上げる。

「たとえば洗顔は?」

「水で顔をペっペっと洗う程度よ」

「……」

コスメ関係の人が聞いたら卒倒しそうなことを平気で言います。コスメ関係でなくても、ほとんどの女性は絶句することでしょう。

T子さんはアイメイクと口紅はつけていますが、肌は素肌のままでファンデーションも塗らないのだとか。あらためてじーっと彼女の顔に見入ってしまいましたが、その浅いオリーブ色の肌には、歳のわりにシミもシワも少ないのでした。

これこれの手入れをしているというのなら、それがかなり奇抜なものでも、それなりに効果をあげているなら、1度やってみようかという気になります。

③ 中で両手を握る。楽に両手が握れる人は、しっかり握ったまま右肩を下げ、左肩を上げ、左右のバストの位置が水平になるように心がける。肛門を軽く閉じ、腹筋や背筋を使って、脊柱をまっすぐにして、楽な呼吸で10~30秒キープ。

ところが、「お水でぺっぺっ」ですからねえ。

子どもの頃、転んですりむいた膝のかさぶたでさえ自然にはがれおちるのを待ちきれず、はしのほうからちょこっとはがしてみたくなります。ついやりすぎて、治りかけの傷口から血がにじみ、あわてて手をひっこめるくような子どもでした。

ヨガのポーズはそもそも何か体に働きかけていくわけですが、何もしないでいることをとても重要視しています。というか、何もしないでいる境地をめざしているともいえます。

たとえばイライラしているとき、何とかしようと動き回ると、もっとイライラして焦燥感が高まります。ただじっとしていること、自分と闘わないというのがヨガの考え方なのです。でも、それはなかなかむずかしいのです。

今回紹介する「牛面のポーズ」は、何もしないと言うのがはばかられるくらい、スタートまでの両手両足の組み方が結構複雑です。

ですが、スタートしてからは「何もしない」ということがポイントになります。不思議と気持ちが次第に落ち着いてきます。

また、肩関節と股関節を飛躍的に柔軟にします。2セット目は1セットのときに比べるとあきらかに柔軟性がアップしていることにも気づかされるでしょう。

四十肩、五十肩の人にはきついポーズになりますが、①だけ行ってもいいし、少しきついと感じる方は、フェイスタオルを補助具に使ってください。

牛面のポーズ

やさしい行い方正座か椅子に深く腰掛け、タオル伝いに両手の間隔を縮める。脊柱をまっすぐに保つことに集中。楽な呼吸で10~30秒キープ。

① まず両脚を伸ばして座り、左足のかかとを右尻の右横に引き寄せます。右足を左尻の左横に引き寄せ、両手で左右の足を軽く押さえます。両膝が体の正面で縦に 重なるにようにできれば理想的です。現実はたいていの場合、上になっている右足の膝は浮き上がり、右にずれてしま方が多いと思います。

両手で左右の足を軽く押さえ、尻がしっかり床につくようにします。脊柱をすーっと頭のてっぺんまで伸ばしましょう。楽な呼吸で10~30秒キープします。

②次に左手を下から背中に回し(手の甲側が背中についている)、肩甲骨の間まで這わせていきます。右手は上方に高く上げましょう。

③背中で両手をしっかり握ります。指がかかっているだけでももちろんOKです。指先も届かなかったらタオルを補助に使いましょう(やさしい行い方参照)。

楽 にしっかりと両手が握れる人は、両手を握ったまま右肩を下げ、左肩を上げます。左右のバストの位置が水平になるように心がけましょう。ようやくこれでス タートです。肛門を軽く閉じ、腹筋や背筋を使って、脊柱をしっかりまっすぐにします。そのまま何もしないで、楽な呼吸で10~30秒キープします。左右交 互に2セット行いましょう。

やさしい行い方

正座するか椅子に深く腰掛け、タオルを使いましょう。タオル伝いに両手の間隔を縮めます。この場合も、脊柱をしっかりまっすぐに保つことに集中しましょう。10~30秒キープします。

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