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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(54)「半月のポーズ1」

イラスト●星奈レイ
発行:2012年5月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

がんになって気づかされたこと

2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで死ぬといわれています。つまりがんは少しも珍しい病気ではなく、がんであることを本人に秘密にする病気でもなくなりました。

そのなかでも乳がんの増加は著しく、新たに乳がんと診断される人は1年間に5万人もいるのだそうです。

I子さんが乳がんと診断されたのは今から2年前。ステージ1と言われて乳房温存手術の予定でしたが、手術後麻酔から覚めたとき「思ったより拡がっていたので全摘出」となったことを知りました。

乳房を失ったことより、「思っていたより拡がっていた」が気になりました。まだ2歳足らずの小さな娘を残して、自分があと何年かしか生きられないかもしれないと考えたとき、せめてこの子にきょうだいを残してやりたいと強く願ったそうです。

乳腺外科の主治医と何度も相談し、ひと通りの治療が一段落してから、すぐに妊娠の準備に取り掛かりました。それは常識破りといっていいような挑戦でした。

「産科の先生にはあきれられました。でも、腫瘍科の先生は、乳がんと妊娠の間にあきらかな相関性は立証されてないとおっしゃったので、踏み切りました」

そしてめでたく出産。

「なんかもう無我夢中でした。乳がんになったあとに、もう1人子どもを産むという選択をするケースは本当にまだ珍しいそうですが、私は、私と家族のために最善の選択をと思って、突っ走しっちゃいました」

I子さんが赤ちゃんを抱っこしてミルクを与えている様子を見ていると、こちらまで幸せな気持ちになりました。これほど愛おしげにわが子を抱っこしている母親を見たことないというくらいなのです。

わが子と過ごすこの瞬間瞬間を愛しんでいるのが伝わってきました。

ほかのがんもそうですが、ことに乳がんは切除しただけで終わりではありません。10年後に再発することもある。また再発した後でも長生きされることも多いのです。

だからがん治療というより、がんとどう生きるか、その人の人生の選択なのですね。

同じく乳がんになった女優の樹木希林さんが「がんがなかったなら、私自身がつまらなく生きて、つまらなく死んでいったでしょう」といった意味のことを対談で話していたのが印象的でした。

さて今回と次回で紹介する「半月のポーズ」は、月の光を浴びながら行うと、当たり前の日常が輝いて感じられます。足もとから両手の指先まで、体のラインが、半月の弧になるように、大きくしならせるポーズです。

今回のパート1では腰を横移動させます。それとバランスをとるように上体が横方向にしなり、脇腹や肩甲骨周辺や腕が大きく伸ばされます。膝、臍、胸、顔を正面に向けたまま行うのがポイントです。

最初は、壁を背に立ち、かかと、お尻、肩甲骨を壁に軽くふれさせて行うと、体を正面に向けたまま行うコツがつかめます。

40肩、50肩がある場合、ヘアバンドを使ったり、それでもつらい場合は挙げられるほうの腕だけ挙げて行います。

半月のポーズ パート1

① 両足をそろえてすーっと立ちます。少しつま先を開くと安定感が増します。両手を合掌しましょう。

*合掌した両手は親指をクロスさせます。

② 息を吐いて肛門を閉じ、お腹を軽く引き締めます(以降この状態を保つ)。ゆっくり息を吸いながら合掌した両手を上方に十分伸ばしましょう。肩から余分な力を抜きます。

③ 左体側をのばしていくに当たり、まず腰を左方向に移行します。すると上体はバランスをとって右にしなるようになります。上体を右に倒すというより、指先の方向に伸ばすというイメージです。足もとから指先までのラインが大きな円の弧を描くような状態です。なかなか半月の弧になるほどにはなりませんが、それで大丈夫です。ゆっくり10数えるくらいキープしましょう。②①と順序を逆に辿って戻し、今度は反対方向に傾けます。これを2セット行いましょう。

④ 肩がきつくて、首に力が入ってしまう場合、ヘアバンドを使って行います。

半月のポーズ パート1① 両足をそろえてすーっと立つ。少しつま先を開く。両手は合掌。合掌した両手の親指をクロスさせる。
② 息を吐いて肛門を閉じお腹を軽く引き締め、ゆっくり息を吸いながら合掌した両手を上方に十分伸ばす。肩から余分な力を抜く。③腰を左方向に移行して、左体側をのばす。すると上体はバランスをとって右にしなる。足もとから指先までのラインが大きな円を描く。ゆっくり10数えるくらいの間キープ。②から①へと戻し、反対方向に。2セット。
④ 肩がきつい場合は、ヘアバンドを使って行いましょう。

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